第244回 耳鼻咽喉科シリーズ

急性喉頭蓋炎

 

単なる上気道炎というありふれた病気の中に、突然予期せず急激な気道狭窄をきたして窒息をすることがある急性喉頭蓋炎というものがあります。この病気はありふれたものではありませんが、感冒(かぜ)のような症状で発症し1-3日後に激しいのどの痛み、発声障害(喉頭の運動で痛みが強くなるために弱々しい発声になる)が起こり、わずか1−5時間で急速に呼吸困難へと進行するケースもあります。また、特に感染が起こりやすくなるほかの病気(例えば糖尿病など)がある場合には、深刻な合併症を引き起こすケースもあります。急速に症状が進行して呼吸困難を起こすことがありますので、初期治療を含め慎重な取り扱いが必要な病気です。