第209回 整形外科シリーズ

腰の痛み:骨粗鬆症(1)

 

骨の中のカルシウムなどが減少し、骨がもろくなりスカスカになった状態を骨粗鬆症といいます。主な症状は「背中や腰が痛む」「曲がってくる」「骨折しやすくなる」などです。『年をとって背中が丸くなるのは、姿勢が悪いからだ」と多くの人は誤解されているようですが、これは骨相懸症による脊椎の変形が原因です。 脊椎は椎体という四角形の骨が縦に連なってできており、骨がもろくなると椎体の前の部分が特につぶれやすくなります。この結果、次第に前かがみの姿勢になってしまうのです。だから、無理に反った姿勢を維持しようとすることは意味がありません。かえって、腰痛や座骨神経痛を悪化させることもあります。以上の変化は徐々に起きてくるものですが、急激に椎体が上下方向につぶれる(圧迫骨折)と非常に強い痛みが起こります。これはちょっとした寝返りも困難なほどで、急性期にはどんな痛み止めをつかっても動いたときの痛みを取り去ることはできません。この場合などは、薬もあまり効かず、激痛がしばらく続くため、大変不安になることと察せられますが、医師の説明をよく聞き、あせらず、気長に療養することが必要です。