第210回 整形外科シリーズ

腰の痛み:骨粗鬆症(2)

 

骨がもろくなって背骨がつぶれてくる「圧迫骨折」でも、始めのうちはレントゲン上、はっきりしないことがあります。強い痛みが続く場合は、医師によく経過を説明して、少し期間をあけて再度レントゲン検査を受ける必要があります。この場合、前回のレントゲン写真と比べて変化をみる必要がありますので「なかなか良くならないから」と安易に別の医師に変わらないことが大切です。当初の強い痛みには、薬や注射だけでは不十分なことがあり、安静を保つ意味で、上下に長いしっかりとしたコルセットを使用したり、一時的に胴体にギプスを巻くこともあります。いずれにしても、通常は数週間で次第に痛みも和らいでいきます。しかし、もともと骨の非常にもろい人は、次々に他の部位の「圧迫骨折」が起こり、長い間激しい腰背痛を繰り返すこともあります。また、つぶれた背骨が、体の前の方へいく神経の根元を圧迫するため、脇腹や腹部の痛みを伴うこともあり、内臓の病気が心配になる人もあろうかと思います。一度つぶれてしまった背骨は元の形には戻りませんが、つぶれた状態で安定してくれば痛みはあまり気にならなくなることが多く、大多数の人は元の生活に復帰可能と思われます。