第211回 整形外科シリーズ

腰の痛み:変形性脊椎症

 

中高年になると関節の軟骨が老化などですり減ったり、付近の骨がとがってきたりして痛みを引き起こします。これは、膝や指先の関節などに起こりやすいのですが、実は背骨もたくさんの関節でつながっており、背骨の前の方は指の関節ほどの小さな椎間関節で結合されています。そのことから変形性脊椎症になることがしばしばあります。長い間に椎間板が少しずつ水分を失って弾力性や厚みが低下すると、後ろの椎間関節にも無理がかかり関節の軟骨をすり減らします。それらの変化はレントゲンでは「背骨同士の間が狭くなる・骨の角の出っ張り・老化の書しい部分が白っぽく写ったりする」などの変化として現れます。また、主な自覚症状としては起き上がったり、立ち上がるなどの動き始めに痛むことが多いようです。これらレントゲンの異常などはだれでも年をとれば、大なり小なり認められますので、強い痛みが長く続く場合以外はあまり深刻に悩む必要はないと思われます。しかし、痛みの原因が老化によるものであっても治療によって症状が軽くなったり、消失したりすることも多いので、医師に相談するのがよいと思われます。