第213回 整形外科シリーズ

腰の痛み:腰部脊柱管狭窄症

 

腰が原因による下肢(太「ももから足にかけて〕のしびれや痛みのために、歩行や長時間の起立が困難になることがあります。それが、腰部脊椎管狭窄症という病気です。症状は(1)腰痛、おしりから太ももの後側の痛み(2)神経圧迫による症状の二つです。神経圧迫症状には、下肢の痛み・しびれ・脱力感などがあります。以上の症状は安静時には見られませんが、歩くと表れるため、長く歩いていられないのが特徴です。腰部脊椎管狭窄症にかかると、歩き始めると徐々に下肢に痛みが生じ、段々と痛みが強くなるために歩き続けられず、その場にしゃがみこむようになります。しゃがんでいるうちに楽になるので再び歩けるようになりますが、しばらく歩くとまた同様の症状が起こる状態を繰り返します。人によっては下肢がしびれたり力が入らないため、あるいは肛門の周りのしびれや焼きつくような感じを覚えたり、尿意や便意をもよおしたりするために、歩けなかったりします。これらの症状は、自転車に乗っているときには表れません。多くの場合は手術以外の治療で楽になりますが、症例によっては手術の必要な場合もあります。詳細については主治医と相談してください。