第216回 「こころ」の疾患シリーズ

パニック障害

 

ある日突然、どうき・呼吸困難・めまいなど(自律神経症状)とともに強烈な不安や死の恐怖、狂ってしまうのではないかなど(精神症状)の症状におそわれ、一刻も早<その場から逃げだしたくなるような発作に合ったら、それはパニック発作です。発作は、特に二十から三十歳代に発生し、強い不安による自律神経の嵐が突発するための現象で、普通数分間で鎮まります。おおむね、初めての発作によって打ちのめされて、次の発作を恐れる(予期不安)ようになります。そのため、発作が起きたとき、それから逃れられない状況を避けるようになります。たとえば、地下鉄や飛行機に乗れなくなったり、高速道路での車の運転ができなくなります(無理に、このようなことを行ったりすると、また発作が起きてしまいます)。これを、広場恐怖または外出恐怖といい、パニック障害の人の七十から八十パーセントがこれを経験します。このような発作を経験したら、治療によって治すことができるので、できるだけ早く精神科や心療内科に相談しましよう。まず、発作の正体を理解し、発作を予防するための薬を飲みます。こうして、発作から解放される日々を重ねることにより、発作への恐れが薄らぎ、自信が戻ってくればもう大丈夫です。