第220回 「こころ」の疾患シリーズ

不眠症

 

 〃体の健康は睡眠から"といいますが、良い睡眠は健康な人を病気から予防し、病気の人を回復させる役目を果たしています。不眠は原因別に見ると、身体に痛み・かゆみ・冷え性などがある身体因、不安、緊張・興奮・抑うつなどの精神因、騒音・まぶしい光・蒸し暑さ・夜勤などの環境因があります。夕イフ別に見ると、一〜二時間たっても寝つけない入眠障害、途中で何度も目が覚める熟睡障害、午前二〜四時に目が覚めてしまう早朝覚醒があります。不眠症を治すときは、まずそれぞれの原因を除くことが大切です。夕食後からは、リラックスして過ごしましょう。床に就く前の入浴、筋肉のストレッチ、一杯の牛乳を飲むなどは効果があります。ただし、寝る前のコーヒーや水分の取りすぎは控えましょう。アルコールの飲用も質の悪い眠りをもたらすので、頼らないほうが賢明です。また、お年寄りは脳を眠らせる働きが衰え、入眠障害・浅眠・短眠に傾き、眠気は夜だけでなく昼前と昼過ぎにもくるので、できる人は昼寝をしましよう。夜勤者の睡眠も同じような傾向があります。夜勤のときは、午前四時前後の一時間ぐらいの仮眠がお勧めです。いろいろ工夫しても不眠が一週間以上続き、日常の生活に支障があるようなら医師に相談しましょう。