第228回 皮膚科シリーズ

「とぴひ」と「みすいぼ」

 

とびひ(伝染性膿痂疹)とみずいぼ(伝染性軟属腫)は、夏に多い子どもの皮膚病の代表的なものです。とびひは、虫刺されや擦り傷などを引っかくうちに、そこから細菌が感染して水ぶくれになってできます。原因菌であるブドウ球菌が水ぶくれを生じる毒素を持っているために、このような現象が起きます。体中に次々に移っていくので、とびひと呼ばれ、抗生物質の内服や軟膏で治療します。みずいぼは、伝染性軟属腫ウイルスに感染することによって起こります。普通のいぼに比べて柔らかく、こすってつぷしたりするとどんどんほかに移って増えていきます。放置しておくと、数カ月から二・三年で自然に治癒しますが、その間にほかの人に移ったりしますので、早めに(十個以内の間に)治療しておきましょう。いろいろな治療が考案されていますが、ピンセットで取る治療が一番確実です。数が少ないうちに取るのはそれほど苦痛ではありませんので、早めに受診しましょう。どちらも、アトピー性皮膚炎などの皮膚の弱い子どもに多い皮膚疾患ですが、皮膚の弱い大人にもみられ、とびひはお年寄りにもよくみられます。