第230回 皮膚科シリーズ

にきび

 

 にきびは、若い人の代表的な皮膚疾患で、思春期から二十代前半の人にみられ、ほとんどの人がかかる皮膚病です。男性も女性も思春期に増加する男性ホルモンのせいで皮脂の量が増加し、毛穴が詰まりやすくなります。毛穴が詰まるとその中でニキビ菌(アクネ桿菌)などが増え、赤く炎症を起こし、にきびとなります。若い人ばかりでなく三十代、四十代の女性にもよくみられ、女性の場合は化粧品の使い方が原因となることがあります。また、にきびは顔ばかりでなく、皮脂腺の発達している胸や背中にもよくできます。にきびを防ぐには、まめに洗顔することが大切で、余分な皮脂を取り除くようにしっかりと丁寧に洗顔します。ただし、赤みの強い時期にゴシゴシこすったりするのは厳禁です。そして、なるべくにきびに触らないように、ヘアスタイルに気をつけたり、ほおづえをついたりしないようにしましよう。治療には、にきび悪化の原因となる菌に対する抗生物質を塗ったり、内服したりします。また、皮脂の分泌を抑える効果のあるビタミン剤や漢方薬の内服、硫黄の入ったローションの外用、ケミカルピーリング(薬剤で汚れをはぎ取る)なども有効です。