第235回 耳鼻咽喉科シリーズ

扁桃周囲膿瘍

 

 耳、鼻、のどの感染症には、急激な経過をたどる病気が多いようです。炎症の初期に適切な治療ができなかったために、急性扁桃炎は扁桃周囲炎へ、さらに扁桃周囲膿瘍に進むことがあります。この病気は、扁桃の炎症が周囲に広がり、うみがたまった状態をいいます。この状態になると、三十八-四十度の熱が出て、のどが痛み、そのために飲み込めない、口が開けられない状態となり、耳も痛くなってきます。さらに、このうみが周囲に広がると深頸部感染症を来し、重い合併症を併発することがあります。のどに痛みがあれば、あまり我慢せず、早めに医療機関で診察を受けましょう。