第240回 耳鼻咽喉科シリーズ

嚥下障害

 

 だれにとっても食事ができないことくらい情けないものはありません。嚥下障害は、のどの機能がまひして食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう誤嚥タイプと、誤嚥ではなく、食道や胃腸が悪いために起こる通過障害タイプとの二つに分けられます。呼吸と嚥下運動とは非常に密接な関係にあります。健康な人の嚥下運動は、常に呼吸のうちで息を吐いているときに行われます。この呼吸と嚥下の協調運動が壊れると食事ができなくなります。咽頭や食道の知覚低下の場合、また、舌が動かなくなったり、萎縮して小さくなったりした場合にも嚥下障害は起こります。心配な人は医療機関で相談しましょう。