第243回 耳鼻咽喉科シリーズ

声がかすれる

 

かすれるということは、日常よく経験します。大体、二・三日もすれば自然に治ってしまいますが、七日以上続く場合は、何らかの病気の疑いがあります。声帯は、空気の通り道である気道の入り口にあるため、呼吸をするときには、左右の声帯がV(ブイ)字型に開いています。一方、発声時には声帯が閉じます。すると、肺から出た空気が声帯のすき間を通り抜ける際に、声帯が振動して声が出ます。しかし、声帯がはれたり、動きが悪くなったり、声帯に何かができると、この仕組みがうまく働かなくなって、本来の声が出なくなったり、出しにくくなります。声のかすれは、声帯そのものの病気だけでなく、喉頭(こうとう)周囲の甲状腺(せん)、肺や食道のがんの場合にも起こりますので、自己判断は危険です。早めに診察を受けましょう。