第245回 脳外科シリーズ

脳の検査(1)

 

第一回目は、検査のお話しをします。皆さんおなじみのCT(コンピュータ断層撮影法)とMRI(磁気共鳴診断法)は脳の断面の写真です。CTの利点は、撮影時間が短いことと出血の有無がすぐに分かる点です。欠点は解像度が不十分で小さい脳腫瘍(脳のできもの)や脳梗塞(脳の血管が詰まって脳組織が死んでしまう病気)の初期には異常が分からないことと被爆の問題です。それに対してMRlの利点は、いろいろな断面で見ることができ解像度が高い点です。また、拡散強調画像という方法を使うと脳梗塞の初期から異常が発見できるのでとても有効であることと、造影剤を使用せずに主な血管が分かるので脳血管障害の診断には有効なことです。欠点は、撮影時間がかかる点と高い磁力の影響でペースメーカーを装着している患者さんなどには利用できないことです。そして、脳血管の屈曲部や枝分かれの部分では血管が狭いように写ることがあるため注意が必要なことです。次回は、CTとMRI以外の検査についてお話しをします。