第246回 脳外科シリーズ

脳の検査(2)

 

CT(コンピュータ断層撮影法)やMRI(磁気共鳴診断法)で脳血管病変(脳動脈瘤や血管の狭窄など)が疑われる場合には、脳血管撮影が必要になります。この検査は肘、大腿部の動脈から細い管(カテーテル)を血管内に挿入し、X線で位置を確認しながら目的の所に進めていき、造影剤を注入して調べます。検査中は少し眠たくなる薬を使い、局所麻酔で針を刺す部分の痛みを取るので、検査中の苦痛はほとんどありません。脳血管の形や流れ方が詳しく分かるので、治療を考える場合には大切な検査です。脳血流を調べるための検査としては、キセノンガスを利用するキセノンCTと放射性物質を利用するSPECTがあります。脳血管障害の外科治療(バイパス術など)の適応を考える場合には重要になります。そのほか、脳の電気的活動を記録する脳波検査、筋の電気的活動を調べる筋電図、脊髄や脳幹機能を調べる誘発電位、髄膜炎の診断などに必要な髄液検査などがあります。骨折の有無を調べるレントゲン撮影も忘れてはならない大切な検査です。