第248回 脳外科シリーズ

脳梗塞(2)

 

脳梗塞の病型には脳血栓症と脳塞栓症があります。さらに脳血栓症には細い脳血管に狭窄があるもの(ラクナ梗塞)と太い脳血管(主幹動脈)に狭窄があるもの(アテローム血栓症)があります。意識障害、麻痺、感覚・言語障害などの有無や程度、発症様式などから病型を推測し、CT(コンピュータ断層撮影法)・MRI(磁気共鳴診断法)やMRA(磁気共鳴血管撮影)そして心電図、心エコーなどでこれを確定します。MRIの拡散強調画像を撮影すると発症後三時間ぐらいから梗塞をとらえることができます。ラクナ梗塞の場合は抗血小板薬などの点滴治療を施行します。アテローム血栓の場合は抗凝固薬などの点滴治療を施行します。脳塞栓症で広範な梗塞になっておらずに年齢が七十五歳以下の場合は特殊なカテーテル(先端にバルーンが付いている細い管)を閉塞血管に挿入してバルーンで拡張したり血栓を溶かす薬を注入して再開通を目指す血栓溶解療法を検討することもあります。症例によっては劇的な改善をみることもありますが、脳出血を生じて増悪することもあります。