第249回 脳外科シリーズ

脳梗塞(3)

 

脳梗塞(のうこうそく)の一般的治療としては、脳循環を考えた呼吸・循環・水・電解質・栄養管理などの全身管理や合併症対策、そして急性期リハビリが重要です。急性期の治療が、一旦終了すれば、後遺(こうい)している機能障害に対して機能回復を図ります(麻痺(まひ)に対してはリハビリを、言語障害に対しては言語訓練を行います)。再発予防のためには、脳卒中の危険因子(高血圧、高脂血症(こうしけっしょう)、糖尿病、喫煙など)をお持ちの場合は、そのコントロールがとても大切です。必要があれば脳血管撮影術で、脳主幹動脈の狭窄(きょうさく)の程度を評価したり、脳血流量の評価をして、脳循環の状態を調べます。脳主幹動脈の狭窄が少ない場合は、主として薬で予防可能です。薬は、脳血栓症には抗血小板剤を、脳(のう)塞栓(そくせん)症(しょう)には、ワーファリンを内服します。脳主幹動脈に狭窄がある場合は、頸部(けいぶ)血管に対しては、血栓内膜剥離(はくり)術(頭部血管のゴミ掃除)を、頭蓋(とうがい)内血管の狭窄が強く脳循環の予備能が無い場合は、バイパス術を検討します。