第256回 脳卒中追記

 

 

早いもので昨年1月から開始した脳外科シリーズも最終回を迎えました。前にもふれた事ですが最後に今一度、脳卒中についての話をします。脳卒中は単一臓器の病気としては依然として日本で一番多い国民病です。ブレインアタックと言われるように突然症状が出現し、初期診断・初期治療が決定的に重要であることを再度強調したいと思います。突然の激しい頭痛や意識障害、突然の片側(右手足とか左手足)の脱力、言語障害などはほとんどの場合、脳卒中によって引き起こされます。頭部CTやMRIにて脳卒中の病型(クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞)を決めてから治療が開始されます。早く診断がつけばそれだけ早く適切な治療が開始でき後遺症も少なくなります。また、心房細動などの不整脈がある方は脳梗塞の予備軍ですので、日頃から脱水にならないように注意して、麻痺や言語障害が出現した場合は速やかに救急車を呼ぶようにしてください。一側の一過性の視力障害や頭痛を伴うめまい(特に顔のしびれを伴う場合)でもできるだけ早く医療機関を受診するようにして下さい。岩国医療圏において脳卒中によって寝たきりになる方をひとりでも減らせるように救急隊、開業医、患者家族の皆様と連携をとりながら頑張っていきたいと思います。それでは長い間おつきあいいただきありがとうございました。【岩国市医師会】