第262回 糖尿病シリーズ(6)

 

 

安全な運動習慣を身につけ、気軽に実行しよう!

運動は、血糖を下げ、インスリンの働きを改善して糖尿病の治療に有益である。また、心肺機能を高め、関節を滑らかにし、昔から運動をよくする人は長生きすると言われている。日常生活の中での肉体疲労や精神的なストレスを発散させ、仕事の能率を高める効果がある。最近、運動習慣者が増加しつつあり、しかも年齢が高くなるにつれて運動習慣者の比率が高くなっている。一般の人々が健康管理のために運動を取り入れている証拠である。特に、運動不足気味なサラリーマンは「忙中」に運動を取り入れる意識と工夫が必要である。ウオーキング、ジョギング、卓球、水泳等々運動の種類は問わない。好きなものをすればよい。高齢の方はゲートボール、水中歩行、それも無理ならテレビ体操やダンベル体操でもよい。ともかく日常生活の中で、生活以外に体を動かすことが大切である。最も手近なのが万歩計を用いたウオーキングである。糖尿病の治療には1日8000〜10000歩が必要である。普通に歩けば1分間約100歩、即ち10分で1000歩なので不足の歩数を時間で割出すこともできる。その際、1日の歩数や歩いた時間を記録する習慣を身につけるのも有益である。万歩計は適切な場所に装着し、感度も調節しないと正確な歩数がでにくいので要注意。一方で運動療法は危険も多い。血糖が300以上のときや合併症が進んでいるときはかかりつけ医と相談すること。また、ウオーキングであれば問題ないが、ジョギングや特定のスポーツをするときは、「危険がないか」医師と相談して欲しい。

*3000歩=100kcal=すたすた歩き30分=2kmの距離