第267回 風疹(ふうしん)

 

 

今回は風疹についてお話します。キーワードは3つです。

1)先天性風疹症候群は防止でき、防止するもの。

2)風疹の流行は阻止でき、封じ込めるもの。

3)こどもの風疹診断は困難で、「以前かかったことがある」はあてにならない。

風疹の症状はこどもでは軽く、大半は微熱、皮疹がぱらぱらとでるくらいで終わります。ところが先天性風疹症候群となると事態は深刻となります。これは妊婦さんが妊娠初期、前半までに風疹になると、胎児に重大な影響がおよび、ひいては生まれてくるこどもに障害が生じます。脳、目、耳、心臓、肝臓、血液、ありとあらゆる臓器が風疹ウイルスにおかされ寝たきりの生活となります。これを防ぐためには、地域で風疹の流行をおこさないこと、妊婦さんもかからないようあらかじめ準備しておくことが大切です。まずは、風疹流行の源がこども集団にありますから、1歳になったら、みんなワクチンを受け、流行の下地をなくしておきましょう。ついで、妊娠可能な年齢に達する前の女子、特に中学生以降で風疹ワクチンを受けていない女子は妊娠前までに風疹ワクチンを必ず受けて準備しときましょう。このさい、「以前かかったことがあるから.........」はあてになりません。ワクチンを受けていない人はとにもかくもワクチンを受けておきましょう。たとえ、風疹の終わっている人がワクチンを受けたからといって害はありません。