第268回 おたふくかぜ難聴について

 

 

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)が腫れて痛い病気です。たいてい左右とも腫れますが、片方だけのこともあります。腫れは約一週間でひき熱は三、四日でおちつきます。時に髄膜炎や睾丸炎を起こすことはよく知られています。内耳にこのウイルスが感染すると鼓膜の奥にある感覚細胞を破壊し難聴になる事があります。この難聴は早期に見つかればステロイド治療で回復する可能性はありますが おたふくかぜ患者の多くは幼児のため気付くのが遅れることが多く殆どは改善しにくい重症例です。最近の調査でこの難聴が増加していることが分かりました。増加した理由としておたふくかぜワクチン接種の低下が挙あげられています。ワクチン接種による髄膜炎を心配する人もいるのですが確率は自然におたふくかぜに感染して髄膜炎にかかる場合の千分の一と低いので是非おたふくかぜのワクチンを接種したいものです。以前MMRワクチンを受けた人は済んでいます。現在は任意接種となっています。費用はかかりますが難聴を防ぐため是非おたふくかぜワクチンを接種しましょう。