第271回 夏にはやっている感染症について〜今年は咽頭結膜熱〜

 

 

 

「夏かぜ」というのに、どんなイメージをもっていますか?夏は食中毒をはじめとした細菌性の腸炎と夏にはやる「咽頭結膜熱」と「手足口病」などのウイルス性疾患が重要です。咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスによる感染症です。今年は流行しており、夏到来とともに全国的に増加しています。患者との接触だけでなく、プールの水を介して、結膜に直接感染すると考えられています。咽頭炎・結膜炎に加え、時に気管支炎を起こします。潜伏期は5〜7日、発熱は39〜40℃が3〜7日と長く続き親は心配になります。のどは真っ赤で強い痛みを伴うことがあり、ご飯も食べられないで、こどもはまいってしまうこともあります。目が痛い・かゆい・目やに・まぶしい・涙が多いなどの症状が片方から出現し、反対側に広がります。頭痛・下痢があることもあります。のどからアデノウイルスを直接迅速診断する方法で診断できます。治療は、十分な水分・栄養摂取。のどが痛いので飲めずに脱水にならないように注意が必要です。やわらかいものを勧めましょう。予防が大事で、流水と石けんによる手洗い・うがいを励行し、感染者との密接な接触を避けてください。タオルは個人別、水泳前後のシャワー、目をしっかり洗うこと。便にウイルスがいます。おむつ交換後に十分手洗いすること。では、気をつけて、元気に残りの夏を楽しみましょう。