第272回 血尿

 

 

 

尿には、通常血液は含まれておらず、血尿が出たり、見た目は血尿でなくても検尿で血液が認められれば異常です。ただし、脱水状態での濃縮尿や内服薬で赤い尿がでるものもあり血尿と間違われることもあります。おかしいと思ったら検尿を受けましょう。血尿は、膀胱炎や尿路結石でしばしば見られます。これらは、排尿痛や脇腹の痛みなど何らかの症状を伴っていることが多いです。しかし、特に注意しなければならないのは、自覚症状のない血尿で、膀胱癌などの尿路腫瘍や出血傾向を起こす全身疾患など重い病気が隠れている事があります。また検診で見つけられる顕微鏡的血尿(潜血尿)は、特に問題のない事が多いのですが、中には糸球体腎炎、尿路感染症、尿路結石、尿路腫瘍などが見つかることがあります。特に、初めて尿潜血を指摘されたとき、尿潜血強陽性のとき、同時に尿蛋白が陽性のときは、精密検査を受けましょう。