第274回 膀胱炎

 

 

 

急性単純性膀胱炎は、細菌(主に大腸菌)が尿道から膀胱に侵入して増え、膀胱粘膜に炎症を引き起こす病気で、圧倒的に女性に多く見られます。主な症状は排尿痛、頻尿、尿のにごりで、これらが突然、急激に起こります。また、血尿もしばしばみられますが、発熱はありません。膀胱炎症状で熱がでる時は、腎盂炎の併発が疑われます。これに対し、慢性膀胱炎は何らかの基礎疾患があって発症することが多く、男性にも多くみられます。症状は急性膀胱炎に比べ軽く、尿検査で初めてわかることも多いのです。基礎疾患として前立腺疾患や膀胱腫瘍、神経因性膀胱などがあります。膀胱炎の治療は、抗生物質により3日から7日で治癒します。再発防止には尿を我慢せず、水分を十分とり、体を清潔に保ち、トイレットペーパーは前から後ろに使うようにしましょう。膀胱炎が治りにくかったり、たびたび再発するときは、専門医を受診しましょう。