第275回 前立腺がんとPSA検査

 

 

 

前立腺がんは、欧米の男性では最も多くみられるがんのひとつですが、日本では頻度は少ないと言われてきました。しかし、高齢者の増加と食生活の欧米化などにより、日本でも急増してきています。前立腺がんは、老化により性ホルモンのバランスが崩れ、環境や食生活などの要因が加わって発生するといわれ、50歳頃より現れ始め高齢になるほど多くなります。症状は排尿障害や頻尿など前立腺肥大症と同じですが、進行すると血尿や腰痛などがでてきます。しかしがんの初期はほとんど無症状であるため、早期発見のためには50歳を超えると毎年定期的に検診を受ける必要があります。検診では主にPSA検査が行われます。前立腺特異抗原であるPSAは、前立腺上皮で作られる糖たんぱくで前立腺がんになると高値を示すことが多くなります。PSAで異常が見つかると精密検査が必要になる事があります。PSAは検診や人間ドックで検査できることが多くなっていますが、これらの機会がない人は専門医の受診をお勧めします。