第279回 赤ちゃんはどこから生まれるの?

 

 

 

お子さんから「赤ちゃんはどこから生まれるの?」という質問をされたら、あなたはどう答えますか?私の母親は、「おへそから生まれるのよ」と答えたので、私は小学高学年までずっとそう信じていました。

小学生の保護者を対象にした性に関する講演会で、同じ質問をある母親にしたら、「オシッコの出る穴と、ウンチが出る穴の間にある穴から赤ちゃんが生まれるのよ」とお子さんに答えたそうです。「どうして私はお父さんと似ているの?」という質問には、「お父さんの体の中にある赤ちゃんの素が、お母さんの体に入ってあなたができたからよ」と答えたそうです。私はどちらの答え方もすばらしいと思いました。

19歳以下の女性の人工妊娠中絶が全国で年間4万件を超えていることや、「クラミジア」という性感染症(性交により人から人にうつる病気)に20歳前後の若者の15〜20人に一人がかかっていることを皆さんはご存知ですか?その理由として、子どもたちに性についての正しい知識が十分伝えられていないためではないかと言われています。これらの事実を私たちが深刻に受け止め、学校と保護者が連携して、性に関する正しい情報を分かりやすく子どもたちに伝える必要があります。子どもからの性に関する質問に対して、「そんなことは今知らないでいいの」とごまかしたりすることなく、先ほどのお母さんのように、本当のことを科学的にやさしく説明できるといいですね。