第283回 親業(おやぎょう)って、知っていますか?

 

 

 

子どもがスーパーで、今日は買わない約束だったのに「お菓子を買って」と大声を上げているときに、あなたはどう対応しますか?「静かにしなさい」と怒りますか?「しょうがないから買ってあげるよ」と諦めますか?こんなときは「約束を守ってくれなくてママは悲しいな」という、自分の気持ちを伝える言い方の「私メッセージ」を使ってみてはどうですか?

 「私メッセージ」は、親業(おやぎょう)の考え方に基づいた対応のひとつです。親業とは、親の役割を一種の職業と考え、親子関係をよりよいものにするために、親はその方法を学ぶ努力をする必要があるという考え方です。

 「あなたは一番大切な人だよ」という気持ちを上手に伝えなければ、甘やかしすぎや厳しすぎにつながってしまいます。親子で対立することがあったときに、親の考えを押し付けるのでもなく、子どもの意見を一方的に受け入れるわけでもない親業の考え方は、子育ての参考になるのではないでしょうか。

 私も十数年前に親業の研修を受けて、その考え方に共感し子どもと関わってきました。いつもうまくはいきませんが、親業の考え方を理解することで、自分自身の子育てについて見つめ直すことができました。親業には「私メッセージ」以外にさまざまな考え方がありますので、興味をひかれた方はインターネットなどで調べてみて下さい。