ぶらんこをこぐ少年

 ある少年が、いつものように下畑小学校に来ていました。だれもいなかったので、一人で遊びました。
 そして、ブランコの前を通ると、
「あそぼ。」
という声がしました。しかし、すぐにその声はとぎれました。
 次の日、遊びに来たら、友達が来ていたので、かくれんぼをしました。少年が鬼になりました。
 とっ、突然ブランコがゆれ、あの声が聞こえました。
「あそぼ。」
「あそぼ。」
「こっちにおいでよ。」
 びっくりした少年は、急いで家に帰りました。

 また次の日、下畑小に行くと、ブランコは壊されていました。新しいブランコを作るために壊したそうです。
 ふと見ると、土の上にすわっているおばあさんがいました。
 話しかけてみると、おばあさんとあのブランコの子は、小学校の友達だったそうです。その子の家はまずしく、ごはんも食べられなくて、とうとう亡くなってしまったと、話してくれました。
 「だから、君に『あそぼ』と言ったんだと思うよ。あのブランコを見てごらん。」
あ、男の子だ。あの子、もしかして・・・・・・・・。
 あれ、おばあちゃんがいない・・・・・・。
 も、も、もしかして、おばあちゃんも亡霊?。
                                       5年 ショウ