「キンコーンカーンコーン」 チャイムが鳴って、6時間目の図工が終わった。 「あっ、ふで箱忘れたから取ってくる。先に行ってて。」 と、男の子が言った。そして、その子は急いで図工室へ行った。すると、 「ねー。ボウヤ。」 と言う声がした。振り向くと、女の人が立っていた。その人は、きれいな髪の長い人。新しい先生かなと男の子は、思っていた。 「あの大きな箱に入ってたの、ボウヤのふで箱。」 と言われ大きな箱の中をのぞいて見た。その時、「ドン」背中をおされ、男の子は、箱の中に入ってしまった。 「イタ。」 男の子は、急にかなしばりにあって、声も出なくなってしまった。 「じゃあね。ボウヤ。」 と言った女は、箱のふたをし、かなづちとくぎで打った。助けを求めようとしても声が出ない。そのまま男の子は、箱に閉じこめられて、一生そこから出られなくなった。 なぜ女は、男の子をとじこめたのか? あれは、女が5年生の頃、図工が大好きだった女は、かなずちやのこぎりで、竹細工を作っていた。しかし女の不注意で頭に大けがをしてしまった。 そのあとが消えず、それがきっかけで、小学、中学、高校といじめをうけた。高3のある日、事故で死んでしまった。そして、その霊が下畑小に来たのだった・・・・・・・。 「私、忘れ物したから取って来る。」 女の霊がニヤリと笑った・・・。 5年 M・H |
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