手品のページ
私が手品をするようになったきっかけは、 小学校低学年にある。 叔父さんが家に泊まりに来て、ティッシュを燃やしたら1000円札にかわるという手品を見せてくれた。 私は、「ああ、この叔父さんは、こうやってお金を儲けているんだ」と思った。 |
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幸い、当時大阪に住んでいたので、デパートにはマジックコーナーがあり、ネタを購入するのには便利だった。 実演販売で買うのはいいが、なかなかそれを演じるだけの技術が伴わず、お蔵入りすることが多々あった。 小学生にはかなりの出費だった。 |
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手品を誰にも披露することなく、ネタも増えることなく、大学生になった。 大学と言えば、宴会芸ができなければ話にならない。 そのおかげで、さまざまな宴会芸を身に付けることができたが、当時は手品をすることはなかった。 |
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手品を本格的にしようと思ったのは、就職して1年目が終わろうとする3月頃であった。 保育所の子ども40人の面倒を見ることになった私は、 なんとかして静かにかつ、楽しませなくてはならない。 その時、鼻の穴に割り箸をつっこむ手品をすると、 それまで騒がしかった子どもたちが、「このおじちゃん、魔法使いじゃー!」と言って、 急に私の言うことを聞くようになったのである。 |
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手品って、こんなにも人の心を引きつけるものなのかと感動し、 それから少しずつ手品道具を買い集めるようになったのである。 |
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さらに追い風となったのが、転勤先で出会った背広屋さんの師匠との出会いであった。 この背広屋さんは、マジックをしながら背広を売り歩くという、かわった商売をしている人である。 今でもつきあいはある。彼がマジック道具をもって職場に来たら、それは「背広を買え」というサインである。 必ず新作のマジックを披露し、「この道具をあげましょう。」と言う。 私が喜んでいる隙に、「さあ、この背広はあなたにぴったりですよ」と勧めてくるのだ。 手品道具をもらった手前、断ることもできず、つい買ってしまう。 私は、「マジック道具を買ったら背広がついてきた」と思うようにしている。 |
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さあ、そんなこんなでそれなりに腕を上げてきたら、 いろんな所からお呼びがかかるようになっきた。 また、お呼びがかからなくても、宴会ではかならず披露するようになってきた。 |