恐怖の島らっきょう

那覇市の国際通りから歩いてすぐ近くに、第一牧志公設市場がある。
ここには、沖縄の食材が所狭しと並んでいる。
青い魚や、大きな伊勢エビ、ドッジボールほどもありそうな巻き貝や
豚の顔の皮などがたくさん陳列してある。また、物価も大変安く、
海ブドウなどは土産物屋の4分の1程度の値段で売っている。
買うものがなくても1度は行ってみたいスポットでもある。
我々は、初日の夜と、2日目の朝と、3日目の午後の3回も行ってしまった。

さて、この公設市場の一画に漬物屋がある。

2日目の朝、
ぶらぶら歩いていると、そこのおじさんが目の前に漬け物を差し出してくれた。
沖縄名物「島らっきょう」だ。
食べてみると辛くておいしい。
すぐさま1パック買ってしまった。
ちゃんとチャック式の袋に入れてくれたので、におい対策も万全だ。
買い物も終わり、レンタカーに戻って荷物を後部座席に置いた。
ワゴンタイプなので、座席から荷物が取れて大変便利だ。
次は、首里城に向かった。

首里城の見学が終わって、車に戻ってみると、なんかくさい。
レンタカー特有のにおいだろうか?
初日は、F爺さんに運転してもらったので、今日は、私が運転する番だ。
ハイエースワゴンは、初めて運転する車なので、大変気を遣う。
ましてや、後部座席には、車に酔いやすいTOYO子さんが乗っている。

においのことなど、気にする余裕はない。

運転開始後、わずか10分で無口になりぐったりしているTOYO子を
ルームミラーで確認しながら、慎重に「美ら海水族館」へ向かう。
那覇から2時間足らずであろうか。途中、名護パイナップルパーク近くの
おいしいステーキ屋で舌鼓。

再び車に戻るが、やっぱりなにかにおう。
あ、そうか。今食べた、ステーキはニンニク山盛りだった。

水族館の見学を終えて車に戻った私は確信した。
やはり、におう。
このにおいは、
「島らっきょうだ!」

おそるおそる、カバンを手元に寄せるとそれだけで、島らっきょうのにおいが
漂ってくる。
すぐに、スーパーの袋を重ねて、厳重に封をした。
一路、ホテルへ。

ホテルにはいるとすぐに、ベランダへ直行し、リュックの中から大きなゴミ袋を
たくさん出して、何重にもぐるぐる巻にした。もう、これで大丈夫だろう。

念のため、朝までベランダに出したままにしておいた。

次の日の朝、自信満々で袋の外から嗅いでみた。

な、な、なんと! まだにおいがするではないか!

焦った私は、ありったけのゴミ袋で、ぐるぐる巻きにし、カバンの中へ
つめた。

最終日。
リュックを背負って飛行機に乗ろうとした私は、背中から
あのにおいがするのに気がついた。

あんなにぐるぐる巻にしたのに、においがもれるなんて!
このにおいは、いきているのか!?

それでは、どれだけぐるぐる巻にしたか、お見せしましょう。
一番外側。
一枚めくったよ。
2枚めくったよ。
緑色のウオンツの袋が
出てきた。
3枚めくったよ。
4枚めくったよ。
シーサーを買った時の
袋も出てきたよ。
5枚めくったよ。
6枚めくったよ。
チャック式の袋が
でてきたよ。
じゃじゃーん!
これが犯人の島らっきょう。
実は、さらにビニール袋が
4枚重ねになっていた。
どうしても、島らっきょうを買いたい時は、
ガラスかプラスチックの密閉容器をもっていくとよい。
家に帰って、ジップロック→
に入れたら、においは全く漏れてこなかった。