2002 全麺協 素人そば打ち段位認定大会の様子
広島県豊平町どんぐり村にて

全国麺類文化地域間交流推進協議会(以下、全麺協)

段位認定の要領

(1)審査対象:水回し、こね、のし、切りの4工程を後記の「判定基準」にもとづいて審査する。
(2)そばの量:段位により「そば粉」と「つなぎ粉(小麦粉)」の重量を決める。
(3)道   具:そばを手打ちで製麺するための道具とし、地域性を考慮して用いる道具は任意とする。
          ただし、「半自動送りの包丁」など手打ちを補助する道具の使用は認めない。
(4)材   料:開催委員会審判部が用意する「そば粉」「つなぎ粉(小麦粉)」
          「水」の3点とし、これ以外の材料の使用は認めない。
(5)所用時間:後記の「そば打ちに要する時間」を判定基準とする。      
(6)切り幅  :切り幅2,2mmを基準とする。地域の特色も考慮に入れる。
「切り幅」と「切り揃い率」によって段位を判定する。
(7)姿   勢:地域の特色等を考慮し、立つ、座るの打ち方は問わないが、
そばを打っている姿勢や態度については判定対象とする。
(8)その他  :そば粉のこぼれ、道具や衣服・身体の汚れ、道具の後始末も判定に加味する。
また、食品衛生上、爪、頭髪の手入れ、
          衣服についても加味する。
段位認定基準

次の「段位認定基準」に基づき、「全麺協素人そば打ち段位認定大会審判部の認定審査員の
厳正な判定によって認定する。
段位は「初段」から順に受験し、一段づつ上位の段へ上がることとし、
受験した段位以上の実力があると認められても「飛び段」は出来ない。
●[初 段] そば粉の重量は700(そば粉500g、つなぎ粉200g)とする。
                  1.そば打ちが40分以内に終了している。
                  2.そばが切り揃われている率は70%である。
                  3.そばを持ち上げても20cm以上につながっている。
                  4.打つ姿勢が非常に堂々として落ち着いている。
                  5.周囲へのそば粉のこぼれが無く、道具や衣服の
                    汚れ方も少ない。
                    道具の後始末がきちんと出来ている。
●[2 段] そば粉の重量は1.000g(そば粉800g、つなぎ粉200g)とする。
                  1.そば打ちが40分以内に終了している。
                  2.そばが切り揃われている率は70%である。
                  3.そばを持ち上げても20cm以上につながっている。
                  4.打つ姿勢が非常に堂々として落ち着いてる。
                  5.周囲へのそば粉のこぼれが無く、道具や衣服の
                    汚れ方も少ない。
                    道具の後始末がきちんと出来ている。
試合前日
練習用に送られてきた豊平のそば粉で打ってみた。
完璧な出来映え。
時間前に終わったし、味もこしも最高。
自信作なので、近所の人に配った。
まず、明日は大丈夫だろう。
試合開始前、後ろに座っているおばちゃん達と
話していると、
お「あなたも、そば屋になるの?」
僕「え、これって、素人のための段でしょ?」
お「そりゃあそうだけど、そば屋になったとき、
初段の実力って言えば、客が呼べるでしょ。
だから、ここに来ている人って、けっこう
そば屋になる人がおおいんよ」
(おばちゃん達は、2段か3段の名人級)

ががーーーん。
そうだったのか。
ちょっと腕に自信があると言うだけで
来てしまった。

僕「あの、どのぐらいの人が落ちますか?」
お「去年は半分ぐらいの人が落ちたね。
あの人と、あの人と、あの人は、去年もいたから、
今年は受かるといいねえ。」

ちょっと後悔。

右の写真は、びびりまくっているものくろ。
開始30秒前。
スタートの合図で袋からそば粉をふるいに移す。
袋のゴムがなかなかはずれず困った。
その時、他の人を見ると、なんと準備の時に
ゴムを結び替えて、
はずしやすくしているではないか!

さすが経験者は違う!

私はふるいが終了するまで5分もかかってしまった。
隣の人は水回しに取りかかっているというのに
私は、まだ粉ふるい。
大丈夫か!
ようやく水回し。
審査員の厳しい目が光る。
まだ水回しをしている私。
左のお方は、知る人ぞ知る「高橋名人」

さすがに、名人に見られると手が震える。
隣の人は、もうこねに入っている。
あせる私。
初段受験者は13人。
遠くは宮崎県から。
ようやく、菊練りが終了。
丸出しにかかる。
麺棒でのし。
生地が硬すぎる。
ちょうど、天窓から直射日光が当たる場所だったので、
審査員が気の毒がっていた。
なんとか、のし上がった。
しかし、生地が硬いため、思った薄さにならず。
これ以上のしていたら、時間がないので、
泣く泣く切りに移る。


ちょうどその時、高橋名人が
生地の厚さを確認しに来た。
万事休す。
さあ、得意の切りだ。
この華麗なる包丁さばきを
見せられないのが残念。
飛び散る打ち粉。
こしは十分。
長さも大丈夫。

しかし、厚さが・・・
清掃も大事な審査基準。
掃除を十分に行い、3分前に終了。
昨日の出来の半分以下。
かなり不本意な出来であった。
閉会式で結果発表。なんと、「合格」。ありがたや、ありがたや。
高橋名人の講評で、「水回しをおろそかにするとそばはまずくなる。
どんなに急いでいても、水回しだけは丁寧に行え」と言われた。
その他、高橋名人の話はすべてためになるものばかり。
2段を目指すには、弟子入りしなくては。