なぜそば打ちを?続編
〜そば 新たなる出会い〜

アゴとの出会い
素人そば打ち初段も合格し、それなりに技術も向上しました。
技術の向上に伴い、つゆも進化させる必要性が出てきました。
本に載っている作り方では、私のそばに合わないのです。

なんとかおいしいつゆを作ろうと、
出雲に行っておいしいそば屋の店長さんに聞いてみました。
「あ、ふつうに作っていますよ。特にこだわっているところはないです」
という答え。一見さんに教えてくれるわけありませんよね。

そこで、ものくろお得意の、「店の裏ゴミ箱大作戦!」
この方法は、おいしいカレー屋でもおこなった方法で、
秘伝のスパイスや出汁などを見つけるのに最適な方法です。
お客からよく見える店側には、食材を入れた箱や袋は見えないようにしますが、
裏のゴミ置き場には無造作に積んであります。
まあ、この店では、ヒントは見つかりませんでしたが、かなり有効な手段といえるでしょう。
なお、ゴミバケツのふたを開けてあさっていると、変質者と間違われるので、やめましょう。

店のゴミ箱をあきらめた私は、海産物売り場を見ることにしました。
すると、ありました。出雲地方の特産物が。
しじみ、カニなどに混じって、「あご」の2文字が。
そうです。トビウオの出汁をこの地方ではよく使うのです。

試しに買って帰ると、濃厚でかつさっぱりした出汁が取れました。
それに昆布やカツオを合わせると、私のそばに合う力強いつゆになったのです。
この方法は2004年になった今でも続いています。
酒との出会い 水との出会い
そばを打つようになって、いろいろな人と出会うことができました。
その中でも特筆すべき人は、造り酒屋のN氏です。
それ以前にうちのそばを食べに来てくれていたM井氏のいとこと言うことで、
知り合うことができました。

市内でもおいしいお酒を造ることで有名な八○新さんの新酒が完成した機会に、
私のそばを食べに来てもらいました。
できたてのお酒に、挽きたてのそば。これほど合うものはありません。

それまで、日本酒は飲まなかったのです。
理由は「まずいから」。
そういえば、今まで飲んでいたお酒は
一番安いお酒でした。だからおいしくなかったのです。
本物のお酒はなんとおいしいこと。
「うちのそばに合う飲み物は、お酒」と言えるほど、よく合います。
ワインは嫌いだとか、焼酎は口に合わないだとかつい言ってしまいますが、
本物を味わうとおいしいのだと言うことがわかりました。

実は、このとき、N氏が酒造りに使う本○村の山水を持ってきてくれました。
この水はたくさんでる物ではないので、特別なお酒を造るための水だそうです。

試しにこの水でそばを打ってみました。

普段は水道水を浄水して塩素を抜いた水を使っていましたが、
この山水はなんともいえないような甘さがあります。
残った水は、全部飲んでしまいました。それほどおいしい水なのです。

おいしい酒とおいしい水、そして、おいしいそばとの出会い・・・
なんとすばらしい出会いでしょう。