秘伝のつゆ「ものくろ一番」の作り方

今まで極秘にしてきた、秘伝のつゆ「ものくろ一番」の作り方をお教えしましょう。
ものくろ一番のコンセプトは「香り高い出雲そばに合う力の強いつゆ」です。
そのため、普通のそばつゆより濃い味がします。
だしや醤油を試行錯誤した結果、出雲の食材を使用することにより、
出雲そばに合うつゆを作ることができました。
つゆは辛汁(原液)と辛汁を薄めるだしの2つを混ぜて作ります。
辛汁編
みりん(※1)を火にかけ、アルコール分をとばす。
砂糖を入れて焦げないように熱し、水飴状態にする。
醤油(※2)を入れてアクを取りながら、
沸騰寸前まで加熱してできあがり。

※1 みりんだけでなく、日本酒や白ワインや赤ワインを
適量混ぜることもある。
※2 醤油は、岩国の丸大豆醤油(無添加)と出雲のさしみ醤油を使う。
このヤママサしょうゆ紅梅を一度味わったら
他のしょうゆではさしみが食べられないほどおいしい。
だし編
だしは、羅臼昆布と利尻の根昆布、カツオの厚切り、あぶった
アゴ(※3)でとり、もちろん、最後は追いカツオ。

※3 出雲そばに合うつゆを研究し始めて幾年月。
それまではそばを打つ技術が未熟だったため、
つゆにこだわる必要がなかった。
しかし、1999年頃から、どうも普通の作り方では出雲そばに
合うつゆができないと悩み始めるようになった。
カツオや昆布をどんなに良いものにしてもそばに合わないのだ。
そこで、出雲の海産物屋を巡り、ヒントを探った。
そこで、アゴ(とび魚)に出会ったのだ。
試しに使ってみたところ、何とも濃厚な、しかしどことなく上品で
後味のさっぱりしただしをとることができた。
今のところ(2003年)この作り方で、
そばとつゆのバランスがとれている状態である。
これから先、そばの技術が向上したり、舌が肥えたりすると、
また考え直さなくてはならないときが来る。
混合編
最後に、辛汁とだしを適量混ぜて、つゆの完成。
つゆは混ぜた後2・3日寝かせるとまろやかになる。