閉鎖空間 「ちっとも大人しくなりませんね。」 どうしてといった戸惑いの表情を見せ抵抗を続けるハーレムにのしかかり、洋服を剥ぎ取るように脱がせてゆく。 「大丈夫、元気なのは最初だけだから。」 少し離れた所から落ち着いた声でそれに応えるのは、押し倒されているハーレムの実の兄であるルーザーだった。 士官学校を出てすぐ、高松は同級生であるルーザーの研究室に入ることが出来た。それは優秀な成績と研究の成果が彼の目を引いたからである。 「これから長い付き合いが出来るといいね。」 その言葉に大きく頷き宜しくお願いしますとした返事。早くガンマ団本部に配属されたいと願っていた彼にとって、その言葉は輝かしい将来を約束されたも同然に思えた。 「一度屋敷の方にも来るといい。兄は君の事をよく知っているが、弟たちは知らないだろうから。是非紹介したいんだ。」 そうして初めて招かれた日の事…。 「高松、それじゃきりがない。僕も手伝ってあげよう。」 ルーザーの冷たい手がハーレムの両腕を押さえ込む。しかし不思議なことに、これだけ暴れて抵抗を見せるのにこの子は声を出さない。まだ少年と呼ぶには幼いであろう年齢なのに。 そんな高松の様子に気付いたのかルーザーは彼に次の行為を促す。 「入れていいよ。」 と。 ハーレムは兄の言葉を信じられないといった目で見上げ、次に視線を高松に移す。涙に潤んだ青い瞳は、それでも強い力を秘めて抵抗の証を見せていた。 だが、高松にとってルーザーの言葉は絶対だった。 「…っ!」 狭い入り口を強引にこじ開け侵入する異物を阻止する術は、今のハーレムには無い。 全身を切り裂かれるような痛みに耐え切れず、泣きながら首を振る。 「い…たい…、やめて…。」 それでも悲鳴を上げない。 「たすけて…。」 搾り出すような声で自分を犯す男に助けを求めている。 「静かにしなさいと何時も言っているだろう?今日は約束を破ったから後でお仕置きをしないとね。」 「ご…めんなさ…い…。」 これだけ酷い目に遭いながら何を謝るのか。いや、むしろこれ程までに怯える様子は、今までにどれだけのことをされてきたのかを物語っているようだった。 ハーレムは固く目を閉じルーザーを見ないようにしている。 そうする間にも熱い楔はゆっくりとハーレムの中に納められてゆく。 「奥まで、そう、全部入ったら初めは優しく動いてやって。慣れてきたら少々手荒に扱ってもいいからね。」 言われるがまま、ハーレムを攻める動きはだんだんと勢いを増し、腰を掴み打ち付ける。しかし今のハーレムは血が滲むほど唇を噛み締め、呻き声ひとつ漏らさない。声を出さずに涙を流す。 「見てごらん、足の指に力が入って丸まっているよ。こんな時は身体が悦んでるんだ。高松は何をしても上手だね。」 高松はぼんやりと考えていた。こんな子供に対して、いったい自分は何をしているのだろうと。 だが、何かで思考を方向転換しなければ夢中になってしまう、そんな気にさせる。 もう、どう足掻いても逃れられないのは明白だと確認したようにルーザーは手を離した。 と、突然ハーレムはいきなり身をよじって抵抗を見せ、押さえようと伸ばされた高松の手を掴み、爪を立てた。 「…っ!」 思わずかっとなりハーレムの頬を打つ。乾いた音が室内に響いた。 「だめだよ。」 静かなルーザーの声にはっと我に返る。 「あ、すみません、つい…。」 慌てて謝る高松に不思議そうな顔をする。 「どうして君が謝るんだい?いけないのはこの子の方だよ。お客様に傷をつけてはいけないよ。」 綺麗で冷たい微笑を高松に向け、次にゆっくりと弟に視線を移し語りかける。 「高松では加減が判らないから気持ち良くないんだろう?僕がしようか?」 いやいやと無言で大きく首を振った。 「これで終わりじゃないんだよ。判るね?こんなことをして、後でどうなるかよく考えなさい。」 その意味を察して、血の気が引いたハーレムの姿を見つめるルーザー。 「行儀の悪い弟ですまなかった。さあ、続きをどうぞ。」 まるで皿にデザートでも乗せて差し出すような言い方。 改めてハーレムの手首を掴み、ベッドに押さえつけ…そして。 「…あ!」 いきなりの衝撃に思わずハーレムの声が上がった。 「…や!いた…!ああっ!」 出入りを繰り返す高松の凶器がハーレムを傷つける。その手加減なしの攻めに耐えられない。ルーザーのモノより大きく太い塊が容赦なく突き上げれば、入り口にも中にも簡単に血を流させる。 「いたい!いやだ!」 優しく扱うことを彼は望んでいないはず。その証拠に、ルーザーは痛みに泣き叫ぶ弟を満足げに見下ろしていた。 快感を与えないようにするのは簡単だ。自分だけの為に動けばいい。痛い程締め付けてくるそこに、更にねじ込むように己を埋め込み、押し進める。 動物の鳴き声のような悲鳴が上がった。 痛いであろう、苦しいであろう。そうだ、わざとそのようにしているのだ。この子の気持ちなどどうでもいい、ルーザーさえ喜んでくれればそれでいい。さっきまでは一応遠慮をしていたが、そんな気遣いはもう無用だった。 その考えが伝わったのか、ハーレムもありったけの力で抵抗を試みる。しかし動けば動くほど、痛いのは自分の方だった。傷が広がる。 「もう…やめ…!」 それ以上言わせないように自分の口で唇を塞いだ。噛み付かれないかと一瞬考えたが、ハーレムは頭を振って逃れようとするだけで、無理矢理口腔内に入り込んだ舌に歯を立てられる事はとうとうなかった。 慣れているのだろうか?この行為に。 「んっ!んん…!」 息をさせず、更にハーレムの中で自分自身を暴れさせると身体が一度大きく痙攣し、力が抜けた。気を失ってしまったらしい。上半身を起こしルーザーに問う。 「どうしましょうか?」 「起こして、続けて。」 「…はい。それで、あの…。」 軽く揺さぶるがそれ位では気が付かない。再び何度か頬を打つとようやく目が開いた。苦しそうに顔をしかめながら。 「ああ、中で出していいよ。ハーレムの中で、これから僕と、高松の出した物が混ざり合ってひとつになるんだ。…ねえ、考えただけでも気持ち良くならないかい?」 虚ろだったハーレムの瞳がその言葉に大きく反応した。 「いや…だ…。」 涙の粒が後から後から溢れ出る。 「お前もいい加減にしなさい。今度大声を出したらまた暫く声の無い生活を送るようになるよ。」 一度だけ飲まされたルーザーの調合した薬は、声帯に働きかけ数日の間ハーレムから言葉を奪った。介抱したルーザーが風邪で声が出なくなっただけです、暫くすれば治りますと言えば、それを疑う者はいない。 つきっきりで看病すると見せかけ、うつるかもしれないからとサービスも遠ざけ、その間ハーレムはルーザーから受ける責め苦を誰にも訴えることが出来なかった。 「兄さんに手紙でも書こうものならそれからどうなるか、あまり賢くないハーレムでも判るよね?」 そう言われ続け…。 「そうだ、高松、君は医者もいいかもしれない。科学者としての頭脳も捨てがたいけど、ドクターになればこの家のかかりつけにしてあげるよ。」 「え、本当に?」 「ああ、まだ間に合う。そのためのバックアップは全て僕が引き受けよう。どうする?」 同じ科学者として研究室にいても、この屋敷に出入りは自由にならない。それよりはまだこの申し出を受けた方が、自分としても好都合だろう。 「やらせていただきます。」 即答だった。 「それは良かった。あと何年かしたら家にも高松の部屋を用意させよう。」 嬉しそうに目を細め、ハーレムに告げる。 「そうすればハーレムが病気になっても僕が付いていてあげられない時、傍に高松がいてくれるよ。これで一安心だね。」 今まではルーザーのいない安息の時があった。しかし数年もすればここも気の抜けない場所になる。ハーレムは密かに決意した。兄の来ない場所、戦場へ一刻も早く出ようと。 「高松、ハーレムが退屈しているよ、気持ち良くしてあげて。」 「あ、はい!」 「その前に、このままうつ伏せにしてくれるかな。声を出さないようにしないとね。」 繋がったまま乱暴に身体の向きを変えると、ルーザーはおもむろに自分自身を取り出した。 嫌がるかと思った。だがハーレムは手を使ってそれを口に運び、慣れた様子で扱き始めた。無意識の行動。 それは、日常的に行われていた行為。 拒絶の言葉など聞いてもらえず、力でねじ伏せられる。むせて嘔吐すれば引きずるようにバスルームに連れて行かれ頭から冷水を浴びせられる。濡れた衣服のまま、そこでルーザーの吐き出す白い液体を飲み下すまで決して解放してもらえなかった。真冬でも。 兄達が留守になる時、屋敷はハーレムにとって地獄のようだった。 「ここまで躾けるのは大変だったよ。物覚えが悪い子でね。」 涙を流しながら口で奉仕するハーレムの頭を、ルーザーは愛おしそうに撫でながら高松に言った。 「君にはこれからハーレムを自由に扱える権利をあげよう。だけどサービスには手を出してはいけないよ。あの子は大事な弟だから。あんなに賢くて可愛い子に何かをする輩がいたら、僕は決して許さない。」 双子だと聞いていた弟に、これ程差をつけて接するのは何故だろう。いつかその訳を聞けるだろうか。いや、そんなことは関係ない。自分はただルーザーの傍に居られればいい。他人のことなどに構っていられない。 「いいよ、動いて。」 改めてハーレムの中で律動を始める。 「ああ、上手だね、ハーレム。後で高松にもしてあげなさい。」 うっとりとするルーザーの表情で打ち付ける腰の動きが加速された。細かく激しく責め立て…ハーレムの中で達した。どくどくと熱い液体を流し込む。 「今日この子は高熱が出て寝込んでいることになっているが…このままだと本当に熱も出そうだし、この後の夕食時に降りてこなくて、もしサービスが様子を見に来ても起きられないね。」 『気は強いのに身体は弱いよね、何であんなに熱が出たり風邪を引いたりするんだろう?』と、よくサービスがハーレムをからかっていた。その原因であるルーザーの前で。 「ん、…ん!」 ルーザーが受けきれないほどの白濁した液体をハーレムの口に放つ。それを一滴もこぼさないように両手で押さえ、背を丸めて震えながら必死で飲み込んでいた。しかし…。 「う…ぷ…。」 指の間から逆流した胃液が溢れた。 耐え切れなかった苦しさと、これから我が身に起こる恐怖にハーレムはがたがたと震えだした。 「ああ大変だ。高松、君はもう行っていいよ。後は僕がするから。そして兄に伝えて、ハーレムの調子が悪いから、このまま僕が看病するって。」 「はい。あの…。」 「あと、今夜は泊まっていきなさい。これからのことをゆっくり話し合いたいからね。」 「はい!」 その後、ハーレムに何があったのか…。 それは自分にかかわりあいのないこと。部屋を出る直前に目が合ったハーレムのすがるような眼差しを振り払い、ドアを閉めた。 終 ※ ごめんなさい、ほんと、何だか…。えらく冷たい高松で…。 一応ここの高松はルーザーと同い年って事で。パラレルです。 |