放課後の告白 「いてぇ!」 紙を切っていたはずなのに、切れたのは左手中指と薬指の間。 「獄寺くん、ハサミの進む方に手を置いてたら切れちゃうよって、幼稚園で習わなかった?」 「いや、俺は幼稚園行ってないんで…」 「それより血、垂れてる!」 何をぼんやりしていたんだ俺!と急いで手を心臓より上にあげる。 「う〜んとね、もうちょっと下げてくれる?」 目一杯手を伸ばしていた為、それを見上げる視線に慌てて10代目の前まで降ろす。 「こんなに小さい傷で大騒ぎして…もっと大怪我もしたのにさ」 対黒曜とかヴァリアーとかは、あの時はなんか痛みも麻痺する程の高揚感というか、傷を気にするどころの話じゃなかったっていうか…。 ぐるぐると考えを巡らせる自分に向かって10代目のさり気ないひとこと。 「ま、その時になったら獄寺くんが痛いって言おうが血が出ようがやめないけどね」 …何のとき…? 思考が止まって固まってしまった俺を置いて、 「シャマルに絆創膏貰って来る」 と10代目は教室を後にした。 <終> ※ 鋏で切った傷はマジ痛い…経験者は語る…。(20081204) |