一瞬の永遠 あの人は惜しげもなく弱さをさらけだしている。 あの人は自分を強く見せようとはしていない。 あの人はみっともないほど美しく弱さをさらけだしている。 それがあの人の強さ。 ただかわいいとか、守ってやらなきゃとか、そんな視線で見ていた自分が恥ずかしい。 あの人は大きな透き通った瞳で、まっすぐに前を見つめてこう言う。 「大丈夫だよ。」 と。 今まで眠っていた何かが目覚めた瞬間を垣間見た。 遺伝子は忘れてはいない。 血は続いている。 かなわない、この人には。 こんなに小さな身体で、手で、全てを守ろうとしている。 そしてそれが出来る人。 自分には、 出来ない。 だからせめて自分はこの人を護る。 嵐の守護者として。 攻撃は最大の防御だから。 「10代目。」 「なに?獄寺くん。」 その笑顔をずっと見ていたい。 「き、キスしていいっすか?」 「いいよ。しよう。」 無邪気に応えてくれる優しい声。 その一瞬を永遠に…。 <終> ※ まだ14のハナシ。一見獄×ツナですが実は逆ですよ〜。綱は策士ですから。 |