一瞬の永遠

 

 

 

あの人は惜しげもなく弱さをさらけだしている。

あの人は自分を強く見せようとはしていない。

あの人はみっともないほど美しく弱さをさらけだしている。

それがあの人の強さ。

ただかわいいとか、守ってやらなきゃとか、そんな視線で見ていた自分が恥ずかしい。

あの人は大きな透き通った瞳で、まっすぐに前を見つめてこう言う。

 

「大丈夫だよ。」

と。

 

今まで眠っていた何かが目覚めた瞬間を垣間見た。

遺伝子は忘れてはいない。

血は続いている。

かなわない、この人には。

こんなに小さな身体で、手で、全てを守ろうとしている。

そしてそれが出来る人。

自分には、

出来ない。

だからせめて自分はこの人を護る。

嵐の守護者として。

攻撃は最大の防御だから。

 

 

 

「10代目。」

「なに?獄寺くん。」

 

その笑顔をずっと見ていたい。

 

「き、キスしていいっすか?」

「いいよ。しよう。」

無邪気に応えてくれる優しい声。

 

その一瞬を永遠に…。

 

 

 

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※   まだ14のハナシ。一見獄×ツナですが実は逆ですよ〜。綱は策士ですから。
あ、冒頭部分の一部は銀〇夏生さんの詩集より。昔からこの方の御本は大好きです。       (20081013)

 

 

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