いちばん 花束でも宝石でも、あなたが欲しいと望めば何だって。 なのに。 「いらないよ、そんなの。」 軽く一蹴されてしまう。 言葉を無くして口だけぱくぱくしていた自分に、10代目は言った。 誕生日に獄寺君から欲しいのはね、と、その後に続くのは。 「誰よりもいちばんにおめでとうと言ってほしい。」 難しいよ、出来る?今、オレ人気者だから。 そう笑って見上げてくる。 「12時すぐに電話します!ケータイ抱えててください!」 「寝てるって、もう。」 日本の世間一般ではまだコドモの自分達は、そんな時間に一緒にいるなんてことは到底無理で。 朝イチに出会ってから…とも思ったが、山本に先を越されては悔しい。 「え…、でも…。」 「泊まりに来れば?勉強教えてもらうって事で。」 「ま、マジっすか?いいんスか?」 だけど何にもナシだからね。 極上の笑顔で微笑まれ、それでも浮かれる気持ちは抑えられず。 だがしかし、10月14日の朝、おめでとうの脳内シュミレーションをやりすぎて寝坊した俺は、結局リボーンさんに一番を譲る形になってしまい、一日中落ち込みオーラを漂わせて過ごした。 <終> ※
これでも綱獄と言い切る。私はヘタレで山本に競争心むき出しの獄が好き。とりあえずツナ、お誕生日おめでとう! (20081014) |