いつのまに 最初に玩具を中にひとつ。これはうねるやつ。 なんだか蛇みたいな動きをしていて、色んなトコに当たるけどすぐにはいけないみたい。 咥え込んだ腰が揺れていやらしい。 「じゅうだいめ…気持ち…わるい…」 うつ伏せてシーツをつかむ手が震えている。 「上を向いて、足を広げて。いきたいんでしょ?」 乱れた息で体勢を変えて、君はオレの言う通りの格好になる。 なんのかんの言ったって、ちゃんと勃ってるよ、ハヤトのここ。 「今日は試してみたいものがあってね。ね、カテーテルって知ってる? この尿道に入れるものなんだけど…」 細い長い管。でもその中は空洞でなく、先にはコードが延びていてコントローラーが見える。 「こんなに細くても、ちゃんと振動する改良版なんだよ」 震える竿を固定するように持って、指で一番小さな口を広げながら、つるつるとそれを進めてゆく。 ちゃんとここにはゼリーを塗ってあるよ。中を傷つけてはいけないから。 それだけじゃない。 「もういっこ使ってみよう、これでいけるかな?」 潤んだ君の目がオレの持つモノを見て大きく見開く。 「それも…入れる…の…?」 「まさか。こんなに狭いところにまた入るわけないじゃん」 既に使用中の玩具よりは幾分細めで短いもの。これも振動するんだ。 ソレを直接ハヤトのモノに下から押し付け、医療用の白いテープで巻いて留める。 ぐるぐるとしっかり。外れないように。 でもあんまりきつくはしない。いくとこちゃんと見たいしね。 最初冷たさに驚いていたけど、 それよりこれからのことを想像して上がりそうな悲鳴を自分の手で押さえて止めたね。 そう、まだスイッチは入れないから安心して。 「…じゅ…だいめ…」 「なんで震えているの?いかせてあげるよ」 「これ…いやです…」 涙目になって、でも中を刺激するものには反応を続けている。 「暴れて自分で取っちゃうと面白くないから、ちょっと縛るね」 軽い口調で君の両手首をひとつに結び、その先をベッドの上部で留めた。 「当たりの柔らかい縄だから、少々擦れても痛くないはずだよ。痕は付くけどね」 君の顔が青ざめた。 恐怖に耐え切れず、悲鳴を上げるか舌を噛むか。 いいや、どちらも許さない。 ポケットからハンカチを出して口に押し込み、ふたつ同時にスイッチを入れた。 瞬間、大きく跳ね上がる君の身体。 外と中からの刺激は初めてだからか、すぐに泣きながら達してしまった。 「どれがいちばん気持ちいい?」 オレの声なんか耳に入らないみたいだね。 それどころか低い唸り声がまた次の頂点が近い事を知らせている。 「…っ!」 入れられた管のせいで、白濁は飛び散らず、だらだらとそれを伝って流れ落ちる。 そこがぴくぴくと上を向いて震え続けるのは、玩具の動きのせいなのかな。 腰を前後左右に激しく揺らして暴れる様は、気持ちイイというよりまるで拷問されているみたい。 …やっぱりいきなり玩具みっつはきつかったかな? 一度全部を止めてみると、ぐにゃりといった感じでベッドに沈む身体から汗が噴き出す。 スイッチは入っていないはずなのに、未だ全身が細かく震えている。 たすけて、やめてと言う声が聞こえるような君の瞳。 お互い暫く無言で見つめあう。 これからどうしようかなと少し考える。 でも、オレも楽しみたいなという思いを抑えられない。 後孔を塞ぐ玩具を乱暴に引き抜いて自身を宛がい、 先端からぐいと押し進めて君の中へと潜り込む。 先程とはまるで違う質量と熱に、侵入を阻む姿勢を見せるもそれは叶わない。 そうしておいて、再び君のモノを攻めるスイッチを入れる。 今度は意思を持ったオレ自身に内部の弱いところを狙い打ちされながら、 幼いソコは機械的な振動で刺激され、 多分君は気を失った方が楽なほどの苦しみを与えられている。 オレはといえば、埋め込んだそれに受ける締め付けと伝わってくる細かい振動で 幾度も中に熱を放ち、衰えることのない快楽に没頭する。 もうこうなればいくら泣き叫んでもいいやとハヤトの声を奪っていたハンカチを外してみる。 「じゅうだいめ!いやだ!いや!」 悲痛な叫び声が揺さぶりに応じて高くなったりくぐもった声に変化する。 そうして、無我夢中で腰を振り続けていると次第に君はおとなしくなり、 まるで泡を吹いたような口からも声は失われていった。 あのひとの手で強く扱かれる時とは違う、機械の振動。 テープで巻きつけられたとき、まさか本当にスイッチを入れられるとは思わなかった。 それはただの脅しかと。 だけど尿道からも与えられるそれらの刺激を同時に受けた瞬間は、 本当に脳みそが沸騰したかのように思われた。 火花が目の前でスパークし、自分でも信じられないくらい乱れて暴れた。 失禁した気がしたが、そうではなく精を漏らして尚止まらない振動にソコが痺れて疼いていた。 怖い、おかしくなる…! じゅうだいめの持ってくるおもちゃは日に日に激しさを増し、 楽しませてあげるという言葉とは裏腹に、 挿れられたまま命を落としてしまいそうな勢いのものが多数を占めるようになってきた。 今日のこれも。 どうしてこんなになってしまったのだろう。 「どうして…?」 「ん?気が付いた?」 あのひとの弾んだ声。 眩しくて、目は覚めても瞼を開けない。 「流石に痙攣し始めちゃったから外してあげたんだけど、どうだった?」 自分の身体なのに寝返りさえ打てない。 「ハヤトの気に入るもの、あった?」 「…ひとつ、だけ…」 「へえ!なに?」 「じゅうだいめが、俺の中に…入ってくれたときが…いちばん嬉しかったです…」 絶句しているであろう様子が目に浮かぶ。 「じゅうだいめの、が、いい…」 開かない目から涙が流れる。 「じゅうだいめ…もう、終わりなんですか…?」 ゆっくりと腕を伸ばし宙を彷徨わせる。 「まだ、一緒にいてください…」 手を取ってもらえると思っていたら、いきなり口が塞がれた。 あのひとの唇で。 舌が絡まってくる。 思考に霞がかかる。 離れられると急に寂しさがこみ上げた。 「…お休み。また明日…」 あのひとの気配が遠ざかってゆく。 そうして、行き場を失った手と共に意識が落ちた。 「今が境目だな…」 ハヤトの中で変化してゆくもの。 自分が求めたとはいえ、それを目の当たりにすると一抹の不安がある。 「これでよかったのかな…?」 きれいな子だと思って、その全てが欲しくて。 過去を塗り替え未来を奪い、 自分だけがあの子の世界を満たすように仕向ける。 もうここまで来てしまった。 「次はオレを何とかしないといけないかな?」 ドアに鍵を掛けて、気持ちを切り替えそこを後にした。 <終> ※ 10代目の微妙な心境の変化。これは続きます。また独立したお話で(20090316) |