涙みたいな星 明日までの命って言われたら、何をしたい? そう聞いたらハヤトの動きが止まった。大きく見開いた瞳に見る間に涙がたまる。 「あ、明日…?」 「例えばの話だよ。それ位切羽詰ったら何を思う?ってこと」 広いベッドの上で、慣れた手つきで君の服を脱がせてゆく。 「それなら…流れ星が見たい」 思いもよらぬ返事に、今度はこちらの手が止まる。 「いつも、夜に外に出ることないから…」 そう、夜はオレの相手をしてベッドの中だもんね。 オレが居ない日でも部屋から出ることは許されず、 窓に厚いカーテンを引かれたここで過ごすだけ。 「そうか、でもそんな自然現象待つ位なら、プラネタリウム造ってあげようか? 星、好きだったっけ?」 「…お願いしたいことが…流れ星に」 「まだ夢を持ってたんだ、かわいいなあ。それくらいのことなら簡単に叶えてあげるよ」 身に纏う物を全て取り払われた君を押し倒し、 キスをしながらまだ柔らかい一物を手で包み込む。 「…んっ…!」 一瞬身体を硬くし、でもすぐにその両腕はオレの首に回される。 体勢を少しずらしてキスを続けながら最初は優しく扱いてゆく。 敏感な先端にはまだ触れず、竿の部分だけに強弱をつけて擦ると、 腰は引けて背を反らし、嫌がっているような姿勢を見せる。 でもこれは感じ始めている証拠。 そのうちオレの手の動きとは違う動きをしだすから。 それじゃ足りない、もっと強く、もっと激しくと無言の訴えを 身体が発するまでにそう時間はかからない。 ハヤトの舌を存分に味わいながらわざとゆっくり手で愛撫を続け、 君の体内に熱を持たせる。 蜜が滴り始め滑りを良くしたところでその手を下にずらし、 固く閉じた口の周りを指で解すように動かす。 「…んん…!う…」 何か言いたそうな唇を更に乱暴に押さえ込み言葉を封じ、 十分な潤いを与えぬまま指を一本秘所に突き立てるように押し込んだ。 「…っあ!う…!」 頭を振って逃れようとするハヤトの頬をぴしゃりと叩く。 「…ごめんなさい…」 泣きながら謝るハヤトに指を入れたまま、置き去りになっていたモノを もう一方の手で上下に扱く。 「じゅうだいめ…!や…っ!」 手だけで内と外を同時に刺激され、声を震わせて涙を流す。 柔らかい粘膜を掻き分けて辿り着く最も敏感なソコに指を押し付け、 擦り上げながら完全に勃っている君のモノを強く掴む。 別々に動きながら、両手は徐々に君の身体が熱を帯びるのを感じ取る。 「いた…っ…い…」 「気持ちいい、でしょ?」 「…い…いい…あ…」 思考がついてこないのか、次第に焦点が定まらなくなってゆく瞳は それでもきれいな光を反射するビー玉を思わせる。 涙で潤んだそれを長い睫毛が縁取り、本当に人形のようで見惚れてしまう。 だからそんなに整った顔が歪められ、泣き叫ぶ姿を見るのはオレも心苦しいよ。 君がもっと気持ちよくなるようにしてあげたい。 悦んで、オレを求めて、そして眠りに堕ちるまで。 いいや、違うな。眠らせてなんかやるもんか。ずっと一緒に愉しむんだ。 「ひ…ああっ…!」 手だけで揺さぶられ達してしまい、悲痛な声を上げる。硬直し、弛緩する過程を辿り、 でもまだこれだけで終わりじゃない事を君は知っているはずだ。 指を抜き、先に熱を迸らせ敏感になっている君の鈴口に軽く爪を立てると、 疲れてベッドに沈んでいた身体が大きく跳ね上がった。 「ここ、いつもはあんまり構ってあげなくて寂しいよね。今日は遊んであげるよ」 「じゅ、あ…だめ!」 否定の言葉なんて聞こえない。まだコドモのそれをゆっくり口に含んで、 べろりとキャンディーを味わうように大きく舐め上げたり、 舌の先端でつつくように刺激を与えると、その度に反応して 腰が揺れたり跳ねたりしてオレは楽しくて仕方ない。 立て続けに精射を強要される君は、ほんの少し疲れるかもしれないけどいいよね。 だってキモチいいことをされてるんだもの。 裏側の筋から後孔までを往復して舐め、また口に含んで強く吸えば、 脚を閉じることも出来ず腰を揺らして絶頂が近づいた事を身体で示してくる。 「出していいよ、ハヤトのミルク、飲んであげる」 「でも…いつも…」 そう、いつもは絶対口に出してはいけないと言い聞かせてあるよね。 言いつけを守って泣きながら悶え、耐えてるのを知ってるよ。 「いいと言ってるんだ。さっさと出して」 「う…」 我慢させられることに慣れてしまったそこは、 本当はとっくに限界を超えてしまっているであろうになかなか精を放つことが出来ない。 せっかく気分よくなってたのに、ちょっと興醒めしてしまった。 顔を上げて声のトーンを落とし 「なんで言うことを聞けないかなあ?」 と突き放すように言えば、様子が変わったことを察してさっと君の顔色が変わる。 がたがたと震えてごめんなさいを繰り返すけど、もう遅い。 「いいよ、後はオレのを飲んで」 膝の裏を持って脚を開かせると、既に大きく反り返ったオレのモノを 体重を掛けて突き刺すように押し込んだ。かなりキツイけど、 それでも捩じ込むように押し進める。侵入を拒むなんて許さない。 傷付いてもそれは君のせい。上手く受け入れられるように躾けてきたつもりだからね。 痛いと泣いても、苦しいと訴えても、 オレが気持ち良くなって中に出すまで激しい突き上げは続く。 途中あんまり煩くて、思わず首に手を掛けてしまったが。 でもこれも、たまにはいいかもね。 中も何時にも増して強く締め付けて来るし。 流石に痙攣をし始めたからやばいかなと思って手を離したけど。 でも。 謝罪の言葉を口にしても、助けてとは言わないんだよね。今だって。 「…ゆるし…て…くださ…」 首に痣を作って、こんなに苦しんでいても見上げてくる君の瞳は澄んでいる。 だったら。 「明日…」 「…?」 「明日の夜、一緒に流れ星を見よう」 望むことを先に叶えたら、後には何が残るんだろう? 「じゅう…だ…」 掠れた声を搾り出しながら、君はオレに向かって手を伸ばす。 「ありがとう…ございます…」 そして、笑った。こんなにされていても。 希望はひとを強くさせると思う。 だから、この子にいつまでも希望を持たせてはいけない。 2人きりで夜空を見上げる。 敷地内とはいえ広大な庭で寄り添って。 最初は座っていたが、次第に疲れて寝転んで、言葉少なに流れ星を探す。 「願い事は3回言わないと叶わないよ」 「…それは難しいかも」 それにしても、こうして見ているとまだハヤトは本当に子どもだ。 時に大人びた仕草を見せることがあっても。 成長するとどんなになるのかと楽しみでもある。 …それまでこの子は…いや、考えるのは止そう。 「何とか今日中に見られるといいね」 「…はい」 だけど昼間の仕事で疲れていたのだろう、ほんの少し、うとうとしてしまった。 ハヤトと自分の手首は逃げられないよう手錠で繋いであったので油断したのか。 「…」 小さな声がした。 何かを言った。 それに耳を疑った。 「じゅうだいめ、終わりました。戻りましょう」 オレに聞こえていないと思ったのだろう。目を瞑っていたし。 だからわざと知らないふりをした。 「…叶うといいね」 「はい」 微笑んでいた。ハヤトは。 オレに聞こえた、ハヤトの願い事。 それは。 「はやく、しなせてください」 だった。 <終> ※ ダーク…(20090212) |