35度 「服を脱いで。」 その言葉でルーザーの前に自分の全てをさらけ出す。恥ずかしさに慣れる事は出来ないが、それでも兄の命令は絶対だった。 「可愛いよ、ハーレム。」 頬を優しく撫でられキスをされる。数え切れないほど交わした口付け。しかし、好意を持ってした事はこれまでただの一度もない。 強制的な行為。それを兄や双子の弟に話したところで信じてはもらえないだろう。彼らの前では穏やかで聡明なルーザーが、自分に対してだけ見せる、この酷い仕打ちの事など。 早く大人になりたかった。強くなりたかった。そうすれば自分の力だけで払い除けられるであろう、自由を奪うため押さえつけてくるあの腕を、のしかかる身体を。 目を閉じているとゆっくりベッドに寝かされた。 再び重ねられた唇から流し込まれる液体を拒み切れずに飲み込む。 「お酒…嫌だ…。」 口から喉の奥にかけてかあっと熱くなる。 「お酒だけじゃなくてね、ハーレムがもっと楽しんでくれるように薬も混ぜてあるんだよ。」 力で抵抗してもそれ以上の力で抑え込むくせに、諦めたような素振りをみせるとルーザーはいつもハーレムの嫌がる事をする。何をどうすれば満足するのか判らない。 「入れるよ、力を抜いていてね。」 見上げるとルーザーの顔が冷たく笑っていた。 「…はあ…あ…あ…。」 まるで自分のものとは思えない喘ぎ声を遠くに聞きながら、ハーレムはルーザーを受け入れていた。仰向けにされ、重なる身体の重みと息遣いを感じながら揺さぶられ、小刻みに突き上げられる。 「いや…あ…ああっ…!」 ぶるっと大きく震え、手足が強張る。 「もう何度目だい?自分ばかり楽しまないで僕も喜ばせてくれないか?」 「…あ…あ…。」 声にならない。もう嫌だ、やめてとどうすれば伝わるのだろう。 「もしかして薬が切れたかな?また飲んでみる?」 「や!…やだ…!」 必死で声を絞り出す。 「さっきのあれはね、アルコールと一緒に使うと痺れるような快感を得られるらしいから是非ハーレムにと思ったんだけど。流石に子供にはまだ効き目が薄かったね。…早く大人になりなさい。」 子供は嫌だ。そして子供は損だ。自分の意思などお構いなしに、大人の都合のいいように扱われる。 「そうだ、下の口からもお酒を飲んでみたらどうだろう。粘膜が直接刺激されていいかもしれない。」 「ひ…!」 飛び起きようとする身体を軽い力で制し、ルーザーは一度自分自身を抜いた。 「助けて!死んじゃう!」 泣きわめく弟に信じられない言葉を掛ける。 「ああ、死ぬほど気持ち良くなるんだ。天国に行かせてあげる。」 いつか、本気で殺される。 自分もサービスのように懐いてみせたら、少しは可愛がってもらえたのだろうか。こんな形ではなく、素直に好きと言ってもらえたのだろうか。 否。 そんな事は出来ない。兄の本性を見てしまったあの日から、この男は敵だと認識してしまったから。自分の身代わりになった小鳥。あんな風にならない為にも、自分の身は自分で守らなくては。 「おとなしくしないとまた動けないように縛ってしまうよ。その方が痛くて嫌だろう?」 涙を流しながらハーレムは自分から脚を開いて秘所を露わにした。ルーザーが指で広げて流し込む液体は、そこから身体中に炎が走るような感覚をもたらす。 「熱い…よう…。」 「汗が出てきたね、顔も赤い。でも美味しいだろう?上等なお酒なんだ、沢山味わうといい」 さらにトクトクと頭から酒を浴びせられ、アルコールの強い香りにむせ返る。 「大人はこれが大好きなんだ、美味しいからね。だからこれでハーレムをもっと美味しくしてあげるよ。」 目を開けていられない。燃えるような暑さと息苦しさ。そんなハーレムの身体に舌を這わせルーザーはうっとりする。 「美味しいよ、まるでリキュール漬けの果物…さくらんぼかな?それを食べているようだ。」 小さなハーレムの乳首に吸いつき、舐めまわす。 「いやだ…いや…だ…。」 聞き入れてもらえるはずのない否定の言葉。この苦しみはいつまで続くのだろう。 「ハーレムを全部味わってあげるよ。そうしたらまたひとつになって楽しもうね。」 「助けて…お腹…痛い…。」 「大変だ、痛いのならお薬を飲まないと…。ねえ、どっちの口から飲もうか?」 終わらない、狂気の時間。 終 ※ 題は、チェリー酒が35度のホワイトリカーで漬け込まれて出来るから…それだけ…。 まあ、たまたま調べたのがそれだっただけで。…ていうか、こんな話でごめんなさい。 最近ルザハレばっかりじゃの、私。 |