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「服を脱いで。」

その言葉でルーザーの前に自分の全てをさらけ出す。恥ずかしさに慣れる事は出来ないが、それでも兄の命令は絶対だった。

「可愛いよ、ハーレム。」

頬を優しく撫でられキスをされる。数え切れないほど交わした口付け。しかし、好意を持ってした事はこれまでただの一度もない。

強制的な行為。それを兄や双子の弟に話したところで信じてはもらえないだろう。彼らの前では穏やかで聡明なルーザーが、自分に対してだけ見せる、この酷い仕打ちの事など。

早く大人になりたかった。強くなりたかった。そうすれば自分の力だけで払い除けられるであろう、自由を奪うため押さえつけてくるあの腕を、のしかかる身体を。

目を閉じているとゆっくりベッドに寝かされた。

再び重ねられた唇から流し込まれる液体を拒み切れずに飲み込む。

「お酒…嫌だ…。」

口から喉の奥にかけてかあっと熱くなる。

「お酒だけじゃなくてね、ハーレムがもっと楽しんでくれるように薬も混ぜてあるんだよ。」

力で抵抗してもそれ以上の力で抑え込むくせに、諦めたような素振りをみせるとルーザーはいつもハーレムの嫌がる事をする。何をどうすれば満足するのか判らない。

「入れるよ、力を抜いていてね。」

見上げるとルーザーの顔が冷たく笑っていた。

 

 

 

「…はあ…あ…あ…。」

まるで自分のものとは思えない喘ぎ声を遠くに聞きながら、ハーレムはルーザーを受け入れていた。仰向けにされ、重なる身体の重みと息遣いを感じながら揺さぶられ、小刻みに突き上げられる。

「いや…あ…ああっ…!」

ぶるっと大きく震え、手足が強張る。

「もう何度目だい?自分ばかり楽しまないで僕も喜ばせてくれないか?」

「…あ…あ…。」

声にならない。もう嫌だ、やめてとどうすれば伝わるのだろう。

「もしかして薬が切れたかな?また飲んでみる?」

「や!…やだ…!」

必死で声を絞り出す。

「さっきのあれはね、アルコールと一緒に使うと痺れるような快感を得られるらしいから是非ハーレムにと思ったんだけど。流石に子供にはまだ効き目が薄かったね。…早く大人になりなさい。」

子供は嫌だ。そして子供は損だ。自分の意思などお構いなしに、大人の都合のいいように扱われる。

「そうだ、下の口からもお酒を飲んでみたらどうだろう。粘膜が直接刺激されていいかもしれない。」

「ひ…!」

飛び起きようとする身体を軽い力で制し、ルーザーは一度自分自身を抜いた。

「助けて!死んじゃう!」

泣きわめく弟に信じられない言葉を掛ける。

「ああ、死ぬほど気持ち良くなるんだ。天国に行かせてあげる。」

いつか、本気で殺される。

自分もサービスのように懐いてみせたら、少しは可愛がってもらえたのだろうか。こんな形ではなく、素直に好きと言ってもらえたのだろうか。

否。

そんな事は出来ない。兄の本性を見てしまったあの日から、この男は敵だと認識してしまったから。自分の身代わりになった小鳥。あんな風にならない為にも、自分の身は自分で守らなくては。

「おとなしくしないとまた動けないように縛ってしまうよ。その方が痛くて嫌だろう?」

涙を流しながらハーレムは自分から脚を開いて秘所を露わにした。ルーザーが指で広げて流し込む液体は、そこから身体中に炎が走るような感覚をもたらす。

「熱い…よう…。」

「汗が出てきたね、顔も赤い。でも美味しいだろう?上等なお酒なんだ、沢山味わうといい」

さらにトクトクと頭から酒を浴びせられ、アルコールの強い香りにむせ返る。

「大人はこれが大好きなんだ、美味しいからね。だからこれでハーレムをもっと美味しくしてあげるよ。」

目を開けていられない。燃えるような暑さと息苦しさ。そんなハーレムの身体に舌を這わせルーザーはうっとりする。

「美味しいよ、まるでリキュール漬けの果物…さくらんぼかな?それを食べているようだ。」

小さなハーレムの乳首に吸いつき、舐めまわす。

「いやだ…いや…だ…。」

聞き入れてもらえるはずのない否定の言葉。この苦しみはいつまで続くのだろう。

「ハーレムを全部味わってあげるよ。そうしたらまたひとつになって楽しもうね。」

「助けて…お腹…痛い…。」

「大変だ、痛いのならお薬を飲まないと…。ねえ、どっちの口から飲もうか?」

 

 

 

 

終わらない、狂気の時間。

 

 

 

 

                                 終

 

 

 

 

 

 

 

 

     題は、チェリー酒が35度のホワイトリカーで漬け込まれて出来るから…それだけ…。

まあ、たまたま調べたのがそれだっただけで。…ていうか、こんな話でごめんなさい。

最近ルザハレばっかりじゃの、私。

 

 

 

 

 


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