質問! 「どうしてこんなに10代目が好きなんでしょう?」 「オレに聞かれても…」 赤い顔して質問されても困る。だってそれはオレも抱えてる疑問だから。 「なんで獄寺くんを好きなのか、リボーンに聞いてみようか」 「それは、流石にあのリボーンさんでも判らないんじゃないんスか?」 だよね。 判っちゃう方がかえって怖いんだけど。ホワイトボード持ち出されて気持ちを図示されて、理論上こうだからこうなるって。いや、でも、あのリボーンならやりかねない。 「まあ俺不思議なこと大好きなんで」 獄寺くんの部屋に転がるこの『世界☆謎と不思議100!』なんかを見ると確かにそうかもと思ってしまう。 「謎は、謎のままの方が楽しいこともありますからね!」 珍しくにっこりと笑う獄寺くん。 …ホント、珍しく…。 「あのさ、体温計持ってる?」 「はい。ここに」 手渡されたそれを改めて返すとえ?という顔をされた。 「測ってみて、熱」 ピピピ…という電子音で取り出されて見た数字に、オレは即立ち上がる。 「獄寺くん、病院行こう!」 そこに表示されていたのは、39.7という普通ではありえない体温だった。 検査結果はインフルエンザ。 「そういやハルの学校では流行ってたって…」 「アイツが原因か…」 一人暮らしで寝込むと大変だからと、全員予防注射を済ませていた我が家(一応オレも注射したんだよ)で面倒を見ることになった獄寺くん。 「すんません10代目、お世話になります…」 「いいけど早く治さないとキスも出来ないよ〜」 その言葉に対する慌て様といったら笑っちゃうくらい…。 「良くなったらまた考えようよ。お互いをどうして大好きなのか。答えは見つからないかもしれないけどさ。でも今は、あんまり長いこと一緒に居ない方がいいからもう出るよ」 ゆっくり休んでね。 そう言って、少し可哀想だけど熱にうなされる獄寺くんの枕元に、水分補給用の飲み物を置いて部屋を出た。 なんで君が好きなのか、わかりたいようなわかりたくないような。 くすぐったい優しい気持ちになり、思わず笑みがこぼれる。 でもそこんとこ、わかんなくても大好きだからね、獄寺くん。 そのままにこにこと笑いながら階段を降りた。 <終> ※ 今年は職場でインフル大流行でした…つか、まだおさまってない…(20090223) |