好きな人の存在をいつも身近に感じられる方法

 

 

 

難しい。

獄寺くんがいつも吸ってる煙草の空箱を、君の部屋からひっそりこっそり拾って来た。

なんやかんやで最近度々イタリアに戻る君と暫く会えないそんな時、これ見て君を思い出そうとしてた用。だけど鞄に入れて持ち歩くわけにもいかないし(仮にも中学生が!)、部屋にさりげに置いておくのも不自然だ。

忘れて帰ったってのを言い訳にしても、中身が無いのをいつまでも取っておくのはおかしいし。

難しいなあ。

 

 

 

困った。

10代目が泊まりに来る回数が頻繁になり、寝巻き用にと置いていったTシャツと短パン。しまっておけばいいものを、ついつい出して見てしまう。

このサイズが丁度いい程の、あの小柄な身体に背負う物は大きすぎて、普通の人なら重圧に耐え切れず、潰れてしまってもおかしくない。それでも10代目は頑張って、ひとりで立って耐えている。そしてこんな自分にかけてくれる優しい言葉が、心に力を与えてくれる。大好きだと。

生活感のなかったこの部屋には、必要最低限の物しか置かなかった筈。なのに、こうして自分のではないが、大事な物が増えている。

それが意外にも嬉しい。

困ったことに。

 

 

 

悩むより、考えるより、行動に移せ。

あの人に逢いたい。

今ならそれが出来るのだから、君に貴方に会いに行こう。

そうしてぶつかる曲がり角。

 

 

「…す、すみません10代目!お怪我は!」

「大丈夫、オレこそごめんね、急いでたから…」

「え、お急ぎでしたか?どちらに…?」

「ん〜、獄寺くん家」

 

 

 

離れていても、いつも相手を想ってる。

お互い結局そんなもん。

 

 

「ところで獄寺くんの向かってた先って?」

判っているけど聞いてみる。

「10代目のお宅に、お迎えに上がる所でした!」

「…じゃ、お言葉に甘えて…」

 

 

 

あの人の存在を置き換えなくても、すぐそこに好きな人が居るシアワセ。

一緒に居たいと願うと、

それは叶う。

叶わせる。

 

 

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     らぶらぶ〜(20091102

 

 



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