第74回大会、優勝者 児玉健司


優勝への軌跡

 大会当日、私は金丸島のヒナダンに渡礁しました。チヌ釣は二年ぶりの釣行です。

 釣開始から満潮まで潮は殆んど動かず、時折動いても右に行ったり左に行ったりと、ウキが一定方向に行くことの無い潮で、アタリがあっても上って来るのは磯ベラばかりでした。 9時頃より引き潮に変わると、今度はとても速い流れで足元に突っ込んできて左右に分かれて流れる様になり、仕掛けを沖に投入してもアッという間に手前に流されて岸にあたるといった、非常に釣り難い状況になりました。仕掛けを安定させる為に、1号ウキ、丸オモリ1号、G2で、流し始めると、アタリはあるのですが上るのはベラ、小メバルのみです。
 
 やがて11時を過ぎると、潮が緩み、時折潮目が少し沖の方へ出来る様になってきた
ので、マキエを打つ場所と仕掛けを入れるタイミングを計りながら、投入を繰り返しました。すると、今までとは違うアタリで水面下50センチ位の所で、ウキが止まったままになりました。やっと来たと思い、少し道糸を張りサソイをかけると、物凄い引きで一気に藻に入られてしまい、ハリス切れで痛恨のバラシ!!再度気を取り直して仕掛けを作り、投入するも、潮は又速い突っ込み潮に変わりアタリも出なくなりました。

 時計を見ると既に12時を過ぎており、「ア〜ア今日はもう駄目だ〜。」と諦め、道具やゴミを少しずつ片付けながら釣っていると、先程のアタリがあった時と同じように、少し潮が緩み潮目が沖の方へ出来たので、残ったマキエを大量に投入し仕掛けを入れると、ウキがジワーっと沈み始めた。今度こそはと思い体勢を整えて合わせを入れると、ズッシリとした重量感のある引きです。慎重にやり取りを行い取り込みを完了。目測で50センチ近いと思いホッと一安心。
 その後は、迎えの渡船が見えるまで、もう一匹もう一匹と頑張りましたが、後が続くかず、ま〜ボウズだけは免れたので、ええかぁ〜との思いでした。

 帰港後、2便が帰って来て、皆さんの釣果を見ると数も出ており、自分は対象外だと思い、道具とクーラーを車に積み込み手も洗い、帰る準備をして検量を待っていました。ここからです。思いもよらず奇跡が起きたのは。なんと尾林会長が一匹長寸のクジを引き当てて下さり検量に出せる事になったのです。その上、私の釣った、たった一匹のチヌが今回最大で、初優勝になりました。全く予想もしていなかったので大感激です。

 考えてみれば平日しか参加出来ない私の為に、日程調整を考えて下さった役員の方々、又渡船のクジも代理でやって頂き、最後に会長に一匹長寸でのクジを引き当ててもらった事など、全て皆さんのお陰で優勝出来たのです。

 この場を借りて心よりお礼申し上げます。本当に有難うございました。日頃は殆んど参加できず、幽霊会員みたいな私ですが、今後とも宜しくお願い致します。
 

児玉健司