第80回大会、優勝者 陶山 孝


優勝への軌跡

 前日の予報によると南西の風、波1.0のち0.5m、いい釣りができると期待したが当日は雷雨、強風、大ウネリと波乱の幕開けになった。 釣り師と荷物を満載した船は、予想以上の悪天候の為、途中牛ヶ首付近に停泊し約1時間様子をうかがった後、一気にスピードアップ、ウネリの中、一路大水無瀬島へ向かった。日頃近く感じる大水無瀬、今回ははるか遠く感じたのは私だけでしょうか?

 白岩、ネコ、ゴロタ、横岩と予定通り瀬付けし、次は私の番の大岩だったが、ウネリが大きいのと潮が引いているのとで、渡礁不能。引き返して横岩に海野テスターと同礁する事になった。天候は相変わらず回復しないので、大雨の中、まずは一杯!1時間余り談笑した。その後も状態は回復しそうにないので、重い腰を上げ釣り始めるがウネリと横風で非常に釣り難い。おまけに海は泥水の様に濁っている。通常この時期なら、大量のエサ取りをかわし、遠投となるはずだが、何処に投げてもサシエを取られない。辛抱の釣りが続く中、ゴロタに陣取る武廣氏と同礁の海野テスターがチヌを釣る。

 9時頃だっただろうか、突然けたたましい音と共に、渡礁するはずだった大岩後方の山が地滑りを起こし、猿が大騒ぎ。あそこにいたら恐怖で釣りどころではなかったろう。

 その後も厳しい状況は続き、仕掛け、投入点を色々と替えてみるが磯ベラのみ、半分諦めかけていた10時30頃、濁りの向こうのヨレで小さなアタリがありサシエを取られる。グレに間違いないと確信し、「グレがおるよ。」とテスターに報告。同じポイントに投入し、少し右に流れたところでウキが吸い込まれ、35cmのグレをゲット。その直後、もう1度アタリがあったが針ハズレだった。何とかもう1枚と打ち返したが、その後は気配が無くなり、12時半に納竿とした。

 この状況では大水無瀬はたいした釣果はないだろうと思っていたら、私以外全滅。小水無瀬は風裏で岩礁体の為濁りも出ない為、やっているだろう・・・? が、これが廊下の低場で廣中君が30cm級1枚の超貧果?ウネリのせい? 結局全体で2枚、恥かしながら久々に優勝する事ができた。辞退しろコールも起きてたが、あの悪天候の中がんばったんだから、勘弁してやってください。次回はきっちり5枚揃えて勝負したい。みなさんお疲れ様でした。


 

陶山 孝