私の傷
挫滅創 日記

素人がききかじったことを書いているので、
間違っている表現があるかと思います。
とくに、医療用語は大違いの部分もあります。
ご指摘頂けると助かります。

2005年2月21日(月)
カンヌキを閉めようとしていて、
指を詰め、挫滅創を負いました。
豆腐を上からつぶして裂け目ができている状態を想像するのが
一番似ていると思います。(下図参照)
指が総延長3cmにわたって裂け、肉がビロビロになり、ちぎれそうでした。
裂け目も1本だけではなく、いろいろな方向に何本も裂けています。
表皮・脂肪などが層になっているのも見えて、
「こりゃあ大変だ」
とあわてて病院に行きました。
病院についたら、まず、麻酔をしました。
麻酔が効いた頃に、腕を空気で圧迫して止血し、お医者さんがおっしゃいました。
「では、傷口を水道水で洗うので、流し場に来てください。麻酔が効いているので
痛くありませんから、傷口の中までごしごし洗いましょう。できれば自分で洗ってください。」

私は、しばらく自分で洗っていましたが、あまりにも傷口が深く、
このままでは指がちぎれてしまうと感じ、気分が悪くなってしまいました。
そのことを告げると先生が洗ってくださいました。
麻酔が効いているので、全く痛みはありませんでした。
その後、縫合です。釣り針に糸がついているようなやつで縫ってくださいました。
15分から20分ぐらいで終わりました。
何針縫ったのかを聞くと、
「たくさん縫ったので数え切れません」
という返事が返ってきました。
縫合あとを見ると、いくつも結び目が見えました。
「まつり縫いや、返し縫い、波縫いなどをしたのかな」と
うつろな頭で考えていました。
縫ったあと行うことは、当然、消毒でしょう。
しかし、先生は、
「消毒をすると、せっかくの皮膚がやられてしまいます。
ですから、今日は、止血をするためのアルギン酸塩をつかいます。
明日また来てくださいね。」
さらに
「けがをしてから、すぐに病院に来たので、
ばい菌も入っていないでしょう。すぐに水道水で洗ったので、
化膿する心配も非常に少ないです。ですから、抗生物質などの薬も出しません」
とおっしゃいました。
私は、過去に抗生物質で薬物肝炎になったことがあったので、
できるだけ薬は飲みたくないので、願ったりかなったりでした。

麻酔が切れてから、傷口がうずき、ほとんど眠れませんでした。
痛いので、手を挙げたまま横になっていました。
22日(火)
病院に行きました。
アルギン酸塩は不織布のようなものについていたので、
はがすのが大変痛く、涙が出そうになりました。

アルギン酸塩をはがしたあと、当然、消毒をして、
ガーゼをかぶせるのだと思っていたら、
ハイドロコロイドという薄い膜のようなもので、傷の部分を覆いました。
消毒もせず、ハイドロコロイドの上から、
ショックを和らげるためのガーゼをかぶせただけでした。
これでよいのかと思っていたら、先生が
「これは、皮膚の再生を助けるためのカバーのようなものです。
消毒すると、再生が遅れますので、この方がはやく治りますよ。」
とおっしゃっいました。
この日の治療はこれだけ。
23日(水)
病院に行きました。
包帯をはずすのは簡単でした。
昨日のハイドロコロイドで傷口が覆われていたため、
包帯やガーゼと皮膚が癒着していなかったのです。
しかし、ハイドロコロイドは、かなりしっかりと傷口についています。
「まさか、これは、はがさないよね。このハイドロコロイドは傷口が治ったら、
しぜんにはがれるんだよね。」
と勝手に考えていましたが、それは甘い考えでした。

先生がくるなり、ピンセットを持ち、ハイドロコロイドをはがし始めるでは
ありませんか。
これはかなり痛かったですね。
しかし、昨日のアルギン酸塩不織布をはがすのよりは、痛くありませんでした。
その日も、ハイドロコロイドを貼り直して終了。
これまでの痛さ順 ベスト5!
1位 麻酔の注射
2位 アルギン酸塩はがし
3位 けが
4位 麻酔が切れた時
5位 ハイドロコロイドはがし(1回目)
24日(木)
病院に行きました。
傷口がかなりふさがり、ハイドロコロイドをはがすのも全然痛くありませんでした。
たまたまポケットに入っていたデジカメで撮影させてもらいました。

傷口を見る人はここをここをクリック!

25日(金)
傷を見せに病院へ行きました。
今日はかなり余裕をかまして、
ハイドロコロイドを自分ではがしました。
医者が傷の様子を見て、
「ああ、ここは壊死するかと思ったけど、大丈夫ですね。
ここまで回復するともうハイドロコロイドも必要ありませんが、
念のためもう1日だけ貼ってておきましょう」
といいました。
26日(土)
今日も病院です。
痛みは全くなく、包帯も第1関節だけにしてもらっています。
ハイドロコロイドも必要なさそうですが、日曜日を挟むため、
とりあえずつけています。
傷口もくっつき、新しい皮膚ができています。
24日の画像で、紫色になっていた指の真ん中が完全にくっついて、
きれいな色に変わっていました。
2月28日(月)ケガをしてからちょうど1週間
ちょうど1週間目。日曜日は病院に行かなかったので、
1日あいたことになる。
土日は、妻が風邪で寝込んでいたので、料理などの家事をたくさんしました。
そのせいか、本日、病院でハイドロコロイドをはずしたら、少し出血をしていました。

1週間たったので、今日からはハイドロコロイドをつけないで
ヒビテン(消毒薬)で消毒し、ふつうのガーゼを患部に当てるという、
いわゆる昔の処置に昇格?しました。
わざわざ高価なハイドロコロイドを使う必要もないほど回復していると言うことらしいです。
今まで「毎日通院しなさい」だった先生のせりふも、「あさってきなさい」になりました。
調子に乗って、わたしが「あさっては、抜糸ですか?」ときいたら「それは無理」と言われました。

家に帰って、記念に写真を撮ろうとして、大事件が発覚しました。

ガ・・・ガーゼが患部にくっついて取れない!

なんと言うことでしょう。土日の出血のせいで、ふさがっていたはずの患部にガーゼがくっついて、
取れなくなっているのです。
このまま、くっつけてあさって病院に行き、無理矢理はぎ取られるのがいいか、
今からがんばって長時間かけて、自分ではがすのがいいかをしばらく考えました。
結論は、「自分でやる!」でした。
少しずつガーゼを揺すったり引っ張ったり、水で流してふやかしたりしました。
夏井先生のWebページに「縫合直後から水道水で患部を洗ってもよい」
と書いてあったのを信じました。
30分以上かけてようやくはずすことができました。

デジカメで患部の写真を撮って、●ンドエイドの「キ○パワーパッド」を貼りました。
これは現在、ふつうの薬局で唯一買える「ハイドロコロイド」なのです。
まだ、私には「消毒とガーゼ」ははやすぎたのです。

やっぱりハイドロコロイドはすばらしいです。
今日の指画像(昔の比較写真付き)
夏井先生よりメールをいただきました!
3月1日(火)
昨日、●ンドエイド「キ○パワーパッド」を貼って、大変調子が良かったのですが、
はがすのが大変でした。

今日は、病院に行く日ではなかったので、自分で替えてみようと
ハイドロコロイドをはがそうとしました。しかし、
●ンドエイドの「キ○パワーパッド」は大変粘着力が強いのです。
傷のところはじゅくじゅくなので、簡単にはがれます。
しかし、「縫合糸」が完全にハイドロコロイドにくっついてしまって、はがれないのです。
途中でテレビを見たり、電話をかけたりして、1時間はかかったでしょうか。
まあ、この痛みも、ベスト5には入りませんが・・・。
傷の様子は昨日とかわりありません。

今日は、「消毒とガーゼ」で寝ることにします。
3月2日(水)
本日、病院。
先生が、傷跡をじーっと見て、
「うーん、今日抜糸してもいいけど、念のため、金曜日にしましょう。
なかなかいい具合に治ってきていますね。」
と言ってくれました。
抜糸ということばをきけただけで、るんるんです。

金曜日、土曜日、月曜日と、マジックをするので、一安心です。
3月4日(金)
抜糸しました。
ちくっと言う痛みが、7回ぐらいしました。
気持ち悪いので、見ませんでした。
お医者さんが「明日、はずすので見せに来てください」
私は、「今日、抜糸するって言ったのに、明日はずすんですか?」
と聞いたら、「いや、抜糸はしましたが、包帯をはずす時に見たいのです」
と言われました。
いやあ、びっくりびっくり。
この日のマジックショーは、
しましまハンカチと、指の上コインコーナーと、不思議な絵です。
お客から、「今日のマジックが少なかったのは、指のせいか?」
とブーイングが来ました。やっぱり、少しは期待されているのかしら。
3月5日(土)
端島でマジックショー。かなり受けました。子どもたちのすくすく育っている様子を見て、
思わず涙が出ました。
3月7日(月)
けがから2週間が過ぎました。全治4週間以上と言われていたのに、
ピアノも弾けます。さすがに、ffで弾くと指が痛みますが、ピアニストとしての腕前は、
全く落ちていませんでした。(もともと、巣立ちの歌しか弾けないけど)
3月8日(火)
抜糸後の指画像
今日でこの日記も終わりにします。
傷跡はまだまだ目立ちますが、痛みもほとんどなく、
マジックも今までと同じようにできます。
神経も切れておらず、ここまで治療してくださったお医者様に感謝致します。
また、閉鎖療法について、自分自身が体験することが出来、効果を知ることができたことは
これからも役に立つことだと思います。
ご愛読ありがとうございました。