ドアの開く僅かな音で目が覚めた。 「起きてください、いつもの時間ですよ。」 男が食事を持って現れる。それを食べるためにする、あの事…。 「いつものようにして下さいね。」 ゆっくりと起き上がり、ベッドに男が近づくのを待つ。そうして目を閉じ、何も考えないようにして男のモノを銜え込む。 「んん…。」 何度も繰り返され、日常的になった行為は男を満足させさえすれば終わりになる。 そして食事が与えられる。 まるでご褒美のように。 「…ん、ぐっ…。」 頭を押さえつけられ、喉の奥まで突かれて吐き気がする。奉仕する余裕などなく、ただ歯を立てないように気を遣うだけで精一杯。息さえ出来ない大きさに、これ以上の男の要求はとても聞けない。 ただ、嫌がらず口を開くようになっただけでも進歩だと男は言っていた。 「そのくらいでいいですよ。」 口から出されたモノは既に十分な硬さと角度を持ち、自身の先端から零れる蜜と唾液が混ざり合い滴り落ちる。 一度口の中に出されたことがあったが、どうしても飲み込むことが出来ず嘔吐してしまい、それからは男もそれを求める事はしなかった。 しかしそれ以上の責め苦は続く。 ゆっくりと犬のように四つん這いになり、自ら腰を上げて迎え入れる体勢を整える。シーツを握り、歯を喰いしばってその時を待った。 「…っ!」 入り口をこじ開けるようにして男のモノが侵入してくる。身体に力が入り、僅かに逃げの様相を取ると、男に腰を摑まれ引き寄せられた。 「逃げてちゃ駄目でしょう。」 あれから何日経ったのか判らない。だが、この行為はどれだけ泣いて逃げようとしても、許しを請うても絶対に途中で終わることはなかった。徹底的に、男の言う事を聞くように教え込まれた。 諦めるしかなかった。 「っ!…んっ!」 慣れる事の出来ない痛み。 「少し力を抜いた方が楽ですよ。」 声は優しいが容赦ない力で突き進み、最奥まで自身を埋め込む。しかしまだ動かない。 男は中の感触を楽しむようにじっとしている。 「そろそろ、いきますね。」 静かに奥を突くような動きが始まる。何も考えないように、早く相手の気が済むように、その動きに合わせて自分も腰を動かした。 ベッドの軋む音が徐々に早くなっていく。 「おっと、こちらがお留守でしたね。」 男の手が前に回り、自分のモノをいきなり強く掴んだ。 「や!」 直接弱点を攻められ、飛び跳ねんばかりに大きな反応を見せたこちらの様子を楽しむかのように、男は大きな手でそれを包み込み、指を使って責めてくる。 「あ!あ!」 狭い場所を出入りするかのように擦り扱かれると、無意識に自ら腰を振りながら銜え込んでいる男のモノをぎゅっと締め付け、相手にも刺激を与えてしまう。 こんなこと、したくない。 早く、やめてほしい。 …いつまで…続くのだろう…? 擦られるスピードが増し、正気を保っていられなくなってきた。考えがぐちゃぐちゃになって、半開きになった口から溢れた唾液がシーツに染み込んでゆく。 「先にイっていいですよ。」 その声に、我慢しきれず男の手の中で自分を弾けさせた。 しかし。 「貴方がイク時の中が気持ちイイんですよ。こう、ピクピクっと震えて私を締め付けるんです。それを味わいたいんですよ、何回も。」 男の言葉に背筋が凍る まだ終わらせてはもらえない。むしろお楽しみはこれからだというように今度は体内の急所を攻められる。 「あ!あ!」 一時的な快楽はあるものの、それを上回る痛みと苦しみに涙が止まらない。 腰を打ちつける激しい動きに、先に壊れるのは身体か、自分の心か、そんな事が一瞬脳裏に浮かび、再び急激に昇らされた高みから、墜ちた。 |