君に

 

 

 

薄暗い室内に、控えめに煌くクリスマスツリーのイルミネーション。

ちらりと横目で見ながら綺麗だなと思う。

オレが泊まりに行くと言ったその日、

学校帰りに買いに行ったらしいね。

気分を盛り上げようとする努力は、ホントすごいと思うよ。

でも次の瞬間、意識はこちらに戻り寝台の上で

絡み合うようにして抱き合い深い口付けを繰り返す。

 

ケーキも食べた、チキンも食べた。

イタリアの極上のワインがありますよと言われたが

それは遠慮してアルコールの入っていない炭酸飲料で乾杯した。

その後

世間でいう恋人同士のすることをしてみようかとこちらから誘ってみた。

思いがけず最初は一度、戸惑いを見せた獄寺くん。

「そっか、嫌なんだ…」

肩を落として見せると

「いえ、違うんです!…あの…信じられなくて…」

「冗談でも遊びのつもりでもなく、本気で君が欲しいんだ」

それで意を決したように応えてくれた。

 

 

いつもの軽いキスではなく

濃厚な、長い時間を掛けたそれ。

お互い服を脱いでベッドに横たわると、

自然に引き寄せられるように唇を重ねあった。

舌を滑り込ませ、味わうようにして絡ませて。

湿った粘膜の擦り合いだけで

下半身に血液が集まる不思議な感覚。

名残惜しいけど

他も味わいたいから自然な動きで舌を喉に滑らせる。

軽く吸い付き、また移動。

耳朶を甘噛みすると

ひゃっ、と言って獄寺くんの身体が跳ねた。

それに気付かないふりをして

今度はゆっくり下に降り、胸の小さな突起を口に含む。

吸い付き、舌で転がすように弄ぶと我慢できないのか声が漏れた。

まだ恥じらいがあるみたいだけど、

そのうちもっと声を出させてあげるよ、と思いながら行為を続ける。

咥えていない方の乳首は

指で摘んだり押しつぶすようにして退屈させないように遊んであげる。

それを交互に繰り返し

両方が唾液で濡れて硬くなってきたら

一度身体を起こして獄寺くんの中心に目をやった。

まだ触れていないそこは、

起立をし僅かに透明な汁を滴らせている。

「ここ、美味しそうに熟してきたね」

「…じゅ、10代目?」

汗ばみ、ほんのり赤みのさす頬。

こんな獄寺くんの顔を見るの、初めてだね。

かわいいな。

声には出さないけどにっこりと笑いかけると

少し安心したように笑顔が返ってくる。

そうしておいて、そこを、口に含んだ。

「…っ!」

自分で声を封じるように手で口を押さえている。

いいのに、声を出しても。

そう思いつつ、ゆっくりと口から出し入れしながら

舌も使って舐め上げる。

裏側を舌の先端でなぞり、鈴口にもちろちろと刺激を与え。

そして。

いきなり手も使って挿入を意識させるように締めながら扱く。

「う!やあ…あ…!」

流石に気持ちいいんだろう、ソコは脈打ち大きさを増す。

歯を立てないように口を出入りさせれば

あっという間に君は頂点を迎える。

口腔内で弾けた熱い液体を、ごくりと音を立てて飲み干した。

「す、すみません!10代目、くち…の、中で…!」

泣きそうな声で謝っている。

オレは無言のまま、それでも笑顔を浮かべ

今度は自分のモノを獄寺くんの目前に晒して見せた。

「10代目…」

「獄寺くんの中に…いいよね?」

そう言いながら

予め用意しておいた挿入時に使うローションを手に取った。

「これ使わないと痛いらしいから。

獄寺くんに少しでも負担かけたくないし」

粘り気のある液体がちゃぷ、と容器の中で揺れた。

 

 

 

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