コンセプト館長ご挨拶
館長ご挨拶
吉川史料館館長 吉川重幹
平成２９年６月１日に、吉川史料館館長に就任しました。
当館は地方の至って小さな史料館ですが、私どもが中世から幕末に至るまでの約７００年間、地方の領主、藩主として守ってきた「武家の誉れと嗜みを示す太刀・具足・文書・美術品など多岐に亘る国宝１点、国指定重要文化財２５００点を含む約５５００点の歴史的史料」を収蔵しております。
国宝の太刀「銘 狐ヶ崎」は、第２代友兼が梶原景時一族との壮絶な戦いに用いたもので、以来当家の守り刀として大切にしてきたものです。また、『吉川本吾妻鏡４８冊』、第１５代元春が陣中で筆写した『太平記４０巻』を始め、三条西実隆等就筆の『源氏物語５４帖』、美術工芸品では豊臣秀吉より拝領の『大肩衝茶入』、千利休作の『茶杓』などを収蔵しておりますが、これらを年４回の展示替えを行うことにより、広く地域文化に貢献する目的で公益財団法人吉川報效会が運営しております。
本年６月より、ＪＲ西日本のトワイライト・エクスプレス「瑞風」の立ち寄り先にもなり、従来に増して展示方法や説明資料に工夫を重ね、広く日本文化の発信ができるよう努めてまいります。
是非、当館をお訪ねいただき、収蔵品をご覧戴きますとともに、日本の原風景の一端に触れていただければ幸いに存じます。その折には、併せて、ゆっくりと古きよき町「岩国」を散策していただきたくお願い申し上げ、就任のご挨拶とさせていただきます。
（吉川家第３２代当主 公益財団法人吉川報效会理事長）
