更新日 1990年(平成2年)6月19日〜2023年(令和5年10月4日)
※ 私なりの解釈なので、あくまでも参考までに。
※ 突然の解説変更ございます。
付記
此れ已下の諸方は髓巻本證の下に於て已に縁有りと雖も止だ加減を以て之を言い未だ甚だ明白ならず。
覽る者の檢閲するに於て未だ便ならざるに今復た校勘して備えて後へに列ぬ。
これから先に在る色々な方は太陽病から厥陰病に至る各巻のそれぞれの証の本毎に既に名前は出ているが、
その箇所にはただ加減するという事だけを言っているその加減や仕方や何かがハッキリしていない。
その為にこれを用いる者がすごく不便を感じている様であるから今こそそれらをよく調べた上でその適当とする所を定め、
それをこの書の最後に付して、使う者の便利を計った。
桂枝加葛根湯之を主どる方
右の七味を水一斗を以て先ず葛根をニ(者+火)て二升を減じ上沫を去り諸藥を内れニ(者+火)て三升を取り滓を去り、
一升を温服す。覆って微似汗を取る。粥を啜るを須ひ不、餘は桂枝法の如くす。
(太陽病上(15)に記載有り・省略)
桂枝加厚朴杏子湯の方 桂枝湯の方内に於て厚朴二兩杏仁五十箇皮尖を去るを加え餘は前法に依る。
桂枝加厚朴杏仁湯の作り方 桂枝3g 芍薬3g 甘草2g 生姜3g 大棗4g 厚朴2g 杏仁2g
右の七味を水280tと共に120tまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて1回40tを温めて服用する。
桂枝加附子湯の方 桂枝湯の方内に於て附子一枚炮じて皮を去り八片に破るを加え餘は前法に依る。
桂枝加附子湯の作り方 桂枝3g 芍薬3g 甘草2g 生姜3g 大棗4g 炮附子0.2g
右の六味を水280tと共に120tまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて1回40tを温めて服用する。
朮附湯方 桂枝附子湯の方内に於て桂枝を去り白朮四兩を加ふ。前法に依る。
桂枝附子去桂枝加白朮湯の作り方 生姜3g 甘草2g 大棗4g 炮附子0.6g 白朮4g
右の五味を水280tと共に120tまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて1回40tを温めて服用する。
桂枝去芍藥湯の方 桂枝湯の方内に於て芍藥を去り餘は前法に依る。
桂枝去芍薬湯の作り方 桂枝3g 生姜3g 大棗4 甘草2g
右の四味を水280tと共に120tまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて1回40tを温めて服用する。
桂枝去芍藥加附子湯の方 桂枝湯の方内に於て芍藥を去り附子一枚炮じて皮を去り八片に破るを加ふ。餘は前法に依る。
桂枝去芍薬加附子湯の作り方 桂枝3g 生姜3g 大棗4g 甘草2g 炮附子0.2〜0.3g
右の五味を水280tと共に120tまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて1回40tを温めて服用する。
桂枝麻黄各半湯の方 桂枝一兩十六銖皮を去る 芍藥一兩 生薑一兩切る 甘艸一兩炙る 麻黄一兩節を去る
大棗四枚擘く 杏仁二十四箇湯に浸し皮尖及び兩仁者去る
右の七味を水五升を以て先ず麻黄をニ(者+火)て一二沸上沫を去り諸藥を内れニ(者+火)て一升八合を取り滓を去り
六合を温服す。
(太陽病上(24)に記載有り・省略)
桂枝二麻黄一湯の方 桂枝一兩十七銖皮を去る 芍藥一兩六銖 麻黄十六銖節を去る 生薑一兩六銖切る 杏仁十六箇皮尖を去る
甘艸一兩二銖炙る 大棗五枚擘く
右の七味を水五升を以て先ず麻黄をニ(者+火)て一二沸上沫を去り諸藥を内れニ(者+火)て二升を取り滓を去り一升を温服す。
日に再服す。
(太陽病上(26)に記載有り・省略)
白虎加人參湯の方 白虎湯の方内に於て人參三兩を加ふ。餘は白虎湯法に依る。
(太陽病上(27)に記載有り・省略)
桂枝去桂加茯苓白朮湯の方 桂枝湯の方内に於て桂枝を去り茯苓白朮各三兩を加ふ。餘は前法に依り煎服す。
小便利すれば則ち愈ゆ。
桂枝去桂加茯苓白朮湯の作り方 芍薬3g 甘草2g炙る 生姜3g生生姜を輪切りに刻む 大棗4g輪切り
茯苓3g 白朮3g
右の六味を水280ccと共に120ccまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて1回40tを温めて服用する。
已上九方の病證第二巻内に並びて在り。
以上の九方の病証は太陽病上に記載有り。
葛根加半夏湯の方 葛根湯の方内に於て半夏半升を加え入れ餘は葛根湯法に依る。
(太陽病中(3)に記載有り・省略)
桂枝加芍藥生薑人參新加湯の方 第二巻桂枝湯の方内に於て更に芍藥生薑各一兩人參三兩を加ふ。
餘は桂枝湯法に依りて服す。
桂枝3g皮を去り内部の香気辛甘味共に濃い所 芍薬4g 甘草2g炙る 生姜4g生生姜を輪切りに刻む 大棗4g輪切り 人参3g
右の六味を水280ccと共に120ccまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて1回40tを温めて服用する。
梔子甘艸シ(豆+支)湯の方 梔子シ(豆+支)湯の方内に於て甘艸二兩を加え入れ餘は前法に依る。吐を得れば後服を止む。
梔子甘草シ(豆+支)湯の作り方 梔子1.4g 香シ(豆+支)6.4g 甘草2g
右の三味の中の梔子と甘草の二味を水160tと共に100tまで煮詰め、その中に香シ(豆+支)を入れて
更に弱火で60tになるまで煮詰めて滓を去り、1日2回に分けて温めて服用する。
もしも1回服し終わって吐き気を催す者は、残りの1回分は服用させない。
梔子生薑シ(豆+支)湯の方 梔子シ(豆+支)湯の方内に於て生薑五兩を加え餘は前法に依り吐を得れば後服を止む。
梔子生姜シ(豆+支)湯の作り方 梔子1.4g 香シ(豆+支)6.4g 生姜5g
もしも1回分服し終わって吐き気を催す者は、残りの1回分は飲まさない。
柴胡加芒硝湯の方 小柴胡湯の方内に於て芒硝六兩を加え餘は前法に依る。服して解せ不れば更に服す。
柴胡加芒硝湯の作り方 柴胡8g 黄ゴン(草冠+今)3g 人参3g 甘草3g 大棗4g 生姜3g 半夏5g 芒硝6g
右の芒硝以外の七味を水480tと共に240tまで煮詰めて滓を去り、更に120tまで煮詰め、
その中に芒硝を入れて溶解させる。1日3回に分けて温めて服用する。服して病が解けなければ更に服す。
桂枝加桂湯の方 第二巻桂枝湯の方内に於て更に桂二兩を加え共に五兩。餘は前法に依る。
桂枝加桂湯の作り方 桂枝5g皮を去り内部の香気辛甘味共に濃い所 芍薬3g 甘草2g炙る
生姜3g生生姜を輪切りに刻む 大棗4g輪切り
已上六方の病證第三巻内に並せて在り。
以上の六方の病証は太陽病中に記載有り。
柴胡桂枝湯の方 桂枝一兩半皮を去る 黄ゴン(草冠+今)一兩半 人參一兩半 甘艸一兩炙る 半夏二合半 芍藥一兩半
大棗六枚擘く 生薑一兩半切る 柴胡四兩
右の九味を水七升を以てニ(者+火)て三升を取り滓を去り温服す。
(太陽病下(19)に記載有り・省略)
附子瀉心湯の方 大黄二兩 黄連一兩 黄ゴン(草冠+今)一兩 附子一枚炮じて皮を去り別煮汁を取る
右の四味を三味を切り麻沸湯二升を以て之を漬け須臾にして絞り滓を去り附子の汁を内れ分温めて再服す。
(太陽病下(28)に記載有り・省略)
生薑瀉心湯の方 生薑四枚切る 甘艸三兩炙る 人參三兩 乾薑一兩 黄ゴン(草冠+今)三兩 半夏半升洗う 黄連一兩
大棗十二枚
右の八味を水一斗を以てニ(者+火)て六升を取り滓を去り再煎し三升を取り一升を温服す。日に三服す。
(太陽病下(30)に記載有り・省略)
甘草瀉心湯の方 甘艸四兩 黄ゴン(草冠+今)三兩 乾薑三兩 半夏半升洗う 黄連一兩 大棗十二枚擘く
右の六味を水一斗を以てニ(者+火)て六升を取り滓を去り再煎し三升を取り一升を温服す。日に三服す。
(太陽病下(31)に記載有り・省略)
黄ゴン(草冠+今)加半夏生薑湯の方 黄ゴン(草冠+今)湯の方内に於て半夏半升生薑一兩半を加え、
餘は黄ゴン(草冠+今)湯法に依りて服す。
黄ゴン(草冠+今)加半夏生姜湯の作り方 黄ゴン(草冠+今)3g 甘草2g 芍薬3g 半夏5g 生姜3g 大棗4g
右の六味を水400tと共に120ccまで煮詰め滓を去り、午前1回、午後1回、夜1回の3回に分けて温めて服用する。
已上五方の病證第四巻内に並せて在り。
以上の五方の病証は太陽病下に記載有り。
桂枝加大黄湯の方 桂枝三兩皮を去る 大黄一兩 芍藥六兩 生薑三兩切る 甘艸二兩炙る 大棗十二枚擘く
桂枝加大黄湯の作り方 桂枝3g皮を去る 大黄1g 芍薬3g 生姜3g切る 甘草2g炙る 大棗4g
右の六味を水280tと共に120ccまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて温めて服用する。
桂枝加芍藥湯の方 第二巻桂枝湯の方内に於て更に芍藥三兩を加え前に隨ひ共に六兩とす。餘は桂枝湯法に依る。
桂枝加芍薬湯の作り方 桂枝3g皮を去る 芍薬6g 甘草2g炙る 生姜3g生生姜を輪切りに刻む 大棗4g輪切り
右の五味を水280tと共に120ccまで煮詰め滓を去り、1日3回に分けて温めて服用する。
四逆加呉茱萸生薑湯の方 当歸二兩 芍藥三兩 甘艸二兩炙る 通艸二兩 桂枝三兩皮を去る 細辛三兩 生薑半斤切る
大棗二十五枚擘く 呉茱萸二斤
右の九味を水六升清酒六升を和たるを以てニ(者+火)て五升を取り滓を去り温めて五服に分け、一方は水酒各四升とす。
(*右方内の四逆加呉茱萸生薑湯方中の当歸の分量疑う可し。恐らく三兩の誤りならん)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯の作り方 (厥陰病(27)に記載有り・省略)
已上三方の病證第六巻内に並びて在り。
以上の三方の病証は太陰病、厥陰病に記載有り。
四逆加人參湯の方 四逆湯の方内に於て人參一兩を加え、餘は四逆湯法に依りて服す。
四逆加人参湯の作り方 甘草2g 乾姜1.5g 白川附子0.6gと生用0.2g 人参1g
右の四味を水120tと共に48ccまで煮詰め滓を去り、1日2回に分けて温めて服用する。
四逆加猪膽汁湯の方 四逆湯の方内に於て猪膽汁半合を加え入れ、餘は前法に依り服す。
如し猪膽無くば羊膽を以て之を代える。
通脈四逆加猪膽汁湯の作り方 甘草2g 附子生乾0.3g 乾姜3g 猪膽汁1t(乾燥なら0.2gに水1t加え溶解)
右の四味の猪膽汁以外を水120tと共に50ccまで煮詰め滓を去り、その中に猪膽汁を入れてよくかき混ぜ、
1日2回に分けて温めて服用する。
已上二方の病證併せて第七巻内に在り。
以上の二方の病証は霍乱病に記載有り。
越婢湯の作り方 麻黄6g 石膏8g 生姜3g 大棗5g 甘草2g
右の五味の中の麻黄を煮て1〜2沸させて灰汁を取り、一旦火から下ろし後の諸薬を入れて再び120tまで煮詰め滓を去り、
1日3回に分けて温めて服用する。
以上の一方は私なりに調べて追加。
《付記・傷寒論・完》
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