更新日 2002年(平成十四年)10月24日〜2024年(令和6年)3月18日
※ 私なりの解釈なので、あくまでも参考までに。
※ 突然の解説変更ございます。
瘡癰腸癰浸淫病脉證并びに治・第十八
瘡癰病と腸癰病と浸淫病の脈状と証候ならびに、
それに対する治方を詳しく述べたもの・第十八
(1)諸の浮數の脉は當に發熱するに應ずばし而るに反って酒淅惡寒し、若し痛む處有れば當に其の癰を發すべし。
(2)師の曰く、諸の癰腫に膿有ると膿無きとを知らんと欲すれば手を以て腫上を掩ふ。
熱する者は膿有りと爲し、熱せ不る者は膿無しと爲す。
(3)腸癰の病爲る其の身甲錯し腹皮急、之を按ずれば濡なること腫状の如く腹に積聚無く身に熱無く脉數なるは、
此れ腸内に癰膿有りと爲す。ヨク(草冠+意)苡附子敗醤散之を主どる。
ヨク(草冠+意)苡附子敗醤散の方 ヨク(草冠+意)苡仁十分 附子二分 敗醤五分
右の三味を杵いて末と爲し方寸匕を取り水二升を以いて煎じて半ばを減し頓に服す。小便當に下るべし。
(4)腸癰の者は小腹腫痞し之を按ずれば即て痛み淋の如くにして小便自から調ひ時時發熱して自汗出で復た惡寒し、
其の脉遲緊の者は膿未だ成らず。之を下す可し。當に血有るべし。
脉洪數なる者は膿已に成る。下す可から不る也。大黄牡丹皮湯之を主どる。
大黄牡丹皮湯の方 大黄四兩 牡丹一兩 桃仁五十箇 瓜子半升 芒硝三合
右の五味を水六升を以て煮て一升を取り滓を去り、芒硝を内れ再び煎じ沸し頓に之を服す。
膿有れば當に下るべし。如し膿無ければ當に血が下るべし。
(5)問ふて曰く、寸口の脉浮微而ジュウ(サンズイ+嗇)なれば法亡血し若しくは汗出づべし設し汗せ不る者あらば何と云はん、
答えて曰く、若し身に瘡有れば刀斧を被り傷らるる所亡血するが故也。
(6)病金瘡、王不留行散之を主どる。
王不留行散の方 王不留行十分八月 匣ズ(草冠+羽+隹)細葉十分七月七日採 桑東南根白皮十分三月三日採
甘艸十八分 川椒三分徐目及閉口去汗 黄ゴン(草冠+今)二分 乾薑二分 芍藥二分 厚朴二分
右の九味桑根皮以上の三味は灰に燒いて性を存し灰過せ令む勿れ。格別に杵き篩合わせて之を治し散と爲す。
方寸匕を服す。
小瘡なれば即ち之を粉し大瘡は但だ之を服す。産後も亦服す可し。如し風寒なれば桑の東根は之を取る勿れ。
前の三物は皆陰乾すること百日。
(7)排膿散の方 枳實十六枚 芍藥六分 桔梗二分
右の三味を杵いて散と爲し鶏子黄一枚を取り藥散與鶏黄と相等しきを以いて揉和して相得せ令め飮に和して之を服す。
日に三服。
(8)排膿湯の方 甘艸二兩 桔梗三兩 生薑一兩 大棗十枚
右の四味を水三升を以ひ煮て一升を取り五合を温服す。日に再び服す。
(9)浸淫瘡口從り流れ四支に向う者は治す可し。四肢從り流れ來たる口に入る者は治す可から不。
(10)浸淫瘡は黄連粉之を主どる。
《瘡癰腸癰浸淫病脉證并びに治・第十八》
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